夢幻水滸伝
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第二百八話 ハノイの女傑その二
「それには星のモン全員が必要やしとりあえずはな」
「このハノイをですね」
「救えんとな、そしてな」
ズーはさらに言った。
「ベトナムもな」
「どうにか出来ないとですね」
「あかんしな、ほな」
「ヤクザ者達をですか」
「何とかするわ」
「そうしてくれますか」
「そやからちょっとこの辺りシマにしてるヤクザ屋さんの事務所教えてくれるか」
親父に問うた、そして親父にその場所を教えてもらうと。
ズーは一人でそちらに向かうことにした、親父はその彼女にそれはという顔になって言った。
「あの」
「一人でやな」
「相手は五十人はいますが」
「しかもあたくし様はサイオニックや」
「格闘は不得手ですね」
「しかし術がある」
これもというのだ。
「そやからな」
「その術で戦われますか」
「そしてこれもある」
自身の神具である黒琵琶も出した。
「しかももう一つ神具があるしな」
「だからですか」
「ヤクザ者五十人なんかな」
それこそというのだ。
「何でもないわ」
「左様ですか」
「そやから心配無用やで」
「では」
「ちょっと行って来るわ」
こう言ってだった。
ズーは実際にこの辺りをシマにしているヤクザの事務所に向かった、そしてその事務所の前に来るとだった。
陣痛の術と事務所の木製の屋敷自体にぶつけた、それも何度も。そうしてそこにいるヤクザ者達を屋敷ごと薙ぎ倒した。
そのうえでそこに警官達を呼んでまずは自分のことを話した。
「そういうことでな」
「そ、そうですか」
「建物ごと攻撃してですか」
「倒したのですか」
「そうされましたか」
「生きてる奴は捕まえてな」
自分の行いに驚いている警官達に笑って話した。
「死んだ奴はあたくし様が生き返らせるさかい」
「そうしてですか」
「捕まえるのですね」
「そうしろというのですね」
「そうしてな」
こう言うのだった。
「後は」
「はい、しかし」
「屋敷ごと倒すとは」
「また凄いことをされましたね」
「それが一番手っ取り早いからな」
それでとだ、ズーはあっさりと答えた。
「そうしたわ、ヤクザ屋さん以外に誰もおらんかったし」
「それはそうですね」
「犬も猫もいません」
「ペットや家畜も」
「そして家族も」
「そのことも確かめたさかい」
それでというのだ。
「屋敷ごと倒したんや、ほなな」
「では今から捕まえます」
「そうさせてもらいます」
「そういうことでな」
ズーは最後まであっさりしていた、そして。
次のヤクザ屋の事務所を倒そうと場所を移動しようとしたが警官達はその彼女を呼び止めた。
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