夢幻水滸伝
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第二百七話 同盟という選択その十五
「何かと」
「ズー先輩がやな」
「はい、普段はこうしてです」
「陽気で穏やかでもやな」
「沸点は高いのですが」
つまりあまり怒らないがというのだ。
「そこに達しますと」
「その話も聞かせてくれるか」
「是非」
「いや、それがベトナム女やから」
ズーは自分のそのことについても笑って述べた。
「特にやで」
「気にすることはですか」
「ないで」
こう言うのだった。
「ほんまにな」
「いえ、そうはいかないです」
こう返したカイだった。
「そこは」
「そうやろか」
「まあ先輩がそう言われるなら」
「ええんやね」
「それでは今から」
「私達のこれまでのこと話そうか」
「そうしましょう」
カイはあらためて微笑んで応えた。
「これから」
「そうしよな」
「ここまでも長い道のりでしたが」
「そのことをな」
「これよりお話させてもらいましょう」
「お酒も入ってきたし」
言いながらビールをさらに飲んでいる。
「全部包み隠さずな」
「お話されますね」
「そうしよな」
「そうですね、隠す様なことはないですし」
「お互いに浮島でテレサちゃん達と会うまでのことをな」
「お話させてもらいましょう」
こう話してそうしてだった。
ズーとカイは二人のこれまでのことを話した、それは中々味のあるものだった。
第二百七話 完
2021・4・23
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