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夢幻水滸伝

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第二百七話 同盟という選択その十四

「それもまたです」
「ベトナムやな」
「それで起きた世界では生きて来てます」
「どの国にもそうしてな」
「例えアメリカでも中国でも」
 こうした大国達が相手でもというのだ。
「かつてはモンゴル帝国にもでしたさかい」
「そしてフランスにもやな」
「おっと、忘れてました」
「その言葉ユゴー先輩が聞いたら怒るで」
「フランスとの戦争が一番あっさり終わりましたので」
 二次大戦後のインドネシア戦争の第一幕である、難攻不落と言われ近代装備を整えたディエンビエンフー要塞が裸足でまともな装備のないベトナム軍に陥落させられて終わった。
「ついつい」
「それわざとやろ」
「いえ、本当についついですよ」
「そうは思えんけどな」
「まあそのことは置いておきまして」
 カイは話を強引に終わらせて述べた。
「これからのことですが」
「やられたらやり返せでか」
「僕としてもこのまま国家連合に入るのは癪で」
 それでというのだ。
「そのまま入るよりも」
「一戦交えるつもりやな」
「そうしようかと」
「そやな、やったるか」
「ただ民にも産業にもです」
 そうしたことにはというのだ。
「被害を与えない」
「そのことは大事やな」
「それは絶対です」
「そやな、それはな」
「一騎打ち挑むか」
 テレサはその目を鋭くさせて提案した。
「ここは」
「それええな、一騎打ちやとな」
「民にも産業にも迷惑かけんしな」
「あたくし様達が勝ったらええし」
「負けたらそれまで」
「ええな、ほな同盟を結んで」
 そしてというのだ。
「オセアニアと」
「一騎打ちをやな」
「挑んで終わら層な」
「ほなな」
 こうしたことを話してだった。
 二国はオセアニアの首都となっているメルボルンに使者をやって彼等と同盟を結ぶことにした、それでこの話は終わったが。
 そこからまた飲んで食べたがテレサはビールを飲みつつ自分と同じくビールを飲んでいるズーに尋ねた。
「ちょっとええか」
「どないしたん?」
「ちょっと自分達のこと聞きたくなったんやが」
 こう言うのだった。
「聞かせてくれるか」
「ええで」
 ズーは二つ返事で応えた。
「ほなな」
「今からやな」
「話させてもらうわ」
 ビールを飲みながら応えた。
「思えばここまで色々あったわ」
「その思い出を振り返るんやな」
「そうしつつお話させてもらうわ」
「いや、凄かったんですよ」
 カイも言ってきた。 
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