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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百二十三話 お餅つきその十二

「義和君も聞いてるわね」
「足の親指の付け根が痛くなって」
「万力で締め付けられるみたいにね」
「それでちょっと触られてもそよ風でも痛い」
「だから痛風なのよ」
 風が身体に当たっても激痛が走るからだ。
「それになるから」
「ビールもですね」
「そうして飲まなかったわ」
「そうなんですね」
「ドイツに行くと美味しいからよく飲むけれど」
「朝からじゃなくて」
「その飲み方もね」
 生卵を入れるそれもというのだ。
「しないわ。実際ドイツは痛風の人多いのよ」
「ビールのせいですね」
 このことは言うまでもない。
「あとソーセージにベーコン、ジャガイモにバターで」
「ケーキもよ」
「生クリームも怖いですしね」
 痛風に対してはだ。
「もう痛風になる下地は充分ですね」
「和食は塩分でね」
「ドイツ料理はそこですね」
「だから怖いのよ。ちなみにヒトラーは健康志向強くて」
 どうもナチス自体がそうだったらしい、労働時間や雇用環境、福祉も考えていてそうしたことも積極的だったという一面もあったのだ。
「それで甘党でもね」
「菜食主義でしたね」
「最後の方は太っていたらしいけれど」
「あの人お酒飲まなかったですしね」
 側近の人がワインを飲んでいるのを見て驚いたという話がある位だ、影武者がいたそうなのでその人だったんじゃなかろうか。
「それでお肉も」
「食べなかったわ、痛風とは関係ないけれど煙草も吸わなかったから」
「痛風じゃなかったですね」
「そうだったのよ」
「ドイツにいても」
「ええ、ただ今でもドイツはね」
「痛風が多くて」
 それでだ。
「その原因はビールですね」
「何といってもね」
「やっぱりそうですね」
「これでも健康には気をつけてるのよ」
 見れば髪の毛もお肌も奇麗だ、四十代後半なのにまだまだ二十代の人にも負けていない感じすらする位だ。
「私もね」
「だからビールもで」
「お酒もね」
「気をつけておられますか」
「飲むのは夜で」
 そう決めていてというのだ。
「飲まない日も多いわ」
「休肝日もですね」
「むしろ飲まない日の方が多いの」
「そうですか」
「さもないと本当にね」
「身体に悪いですね」
「そう、ジムにも通ってるし」
 このことは爽やかに微笑んで話してくれた。
「汗もかいてちゃんと寝て」
「健康には気をつけてますか」
「そうしているわ。だから奇麗なのよ」
「そこで自分で言われます?」
 僕も思わず笑ってしまった。
「奇麗って」
「駄目かしら」
「いえ、らしいですね」
「これでも気をつけてるから。目標は吉永小百合さんよ」
「あの人ですか」
「あの人位になったら凄いでしょ」
「ですね、何かもう」
 僕が見てもだ。 
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