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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百二十三話 お餅つきその十一

「さもないとおトイレも近くなるし」
「ええ、じゃあこれでね」
「止めます、親父みたいに強くないですし」
 お酒の強さもかなりのものだ。
「そうします」
「それで後は」
「お餅つきに専念します」
「そうしてね、お菓子や果物もあるし」
 チョコレートや煎餅やクッキーそして蜜柑等もある、他にはコーヒーもある。
「そっちを楽しんでね」
「そうします」
「おばさんもコーヒー飲んでるしね」
「そちらですか」
「うちの旦那がお昼飲むと怒るのよ」
 ご主人がというのだ。
「芹沢鴨さんかって」
「今お話出た人ですか」
「ええ、新選組じゃあるまいしって」
「あの人幕末は長州贔屓でしたね」
「だから新選組は好きじゃないから」
「そう言われるんですね」
「ええ、新選組のことは詳しいけれど」
 前に僕にその芹沢さんのことも話してくれた、確かに酒乱だったけれど器が大きくて教養も備えていて親分肌だったとだ。
「長州贔屓だから」
「新選組はお好きでないですね」
「嫌いってとこまでいかないけれど」
「だからですね」
「そう、新選組みたいなこととかね」
 そうした表現をというのだ。
「言って来るから」
「だからですね」
「酒好きのお家だけれど」
 八条家自体がだ。
「それでおばさんもだけれど」
「夜ですね」
「その時に飲むから」
 それでというのだ。
「今はね」
「飲まれないで」
「コーヒーにしているの」
 こちらにというのだ。
「そうしているわ」
「そうなんですね」
「お酒は夜っていうのがね」
「ご主人のお考えで」
「私もそうなったわ。若い時はこうした飲める時は飲んでいたわ」
 お昼でもというのだ。
「楽しくね」
「そうだったんですね」
「流石に朝からは滅多になかったけれど」
「あったんですか」
「欧州に旅行に行った時とかはね」
「ああ、あそこは朝からですからね」
 イタリアにしてもドイツにしてもだ。
「もう普通に」
「ええ、流石にビールに生卵入れてはなかったけれどね」
「ドイツの朝食ですね」
「あちらじゃ食欲ないとそうして朝ご飯にするけれどね」
「ドイツに行かれた時も」
「それはしなかったわ」
「そうなんですね」
「だって痛風がね」
 この病気がというのだ。
「怖いから」
「痛風は女の人でもなりますね」
「男の人程多くないけれどね」
「やっぱりなりますね」
「なったら地獄らしいわよ」 
 叔母さんの言葉はこれまで以上に真剣なものになっていた、表情もそうでそのお顔で僕に対して話してくれた。 
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