八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百二十三話 お餅つきその十
「何か」
「破天荒だからね」
「ええ、それで自分を尊敬するなですから」
そう言うしだ。
「何か」
「そう思うといいでしょ」
「親父もですね」
「ええ、尊敬してるんでしょ」
「ああはなれないですけれどね」
その自信はある、あんな破天荒にはなれない。真似をしてみても三日で無理だと思ってしまうに決まっている。
「それでもあの侠気ですね」
「そうそう、止君はそれよ」
「侠気がありますよね」
「やんちゃでもよ」
「人の道は踏み外していなくて」
「それがあるのよ」
侠気、それがだ。
「そしてわかっていることはわかっていて」
「大事なものは全部持っているから」
「だからよ」
それでというのだ。
「あの子はいいのよ」
「そういうことですね」
「そうよ、だから義和君もね」
僕もというのだ。
「あの侠気とね」
「道を外していないこともですね」
「見習ってね」
「そのつもりです」
既にだ。
「僕にしても」
「それはいいことよ。じゃあまたお餅ついてね」
僕に笑顔で言ってきた。
「そうしてね」
「そうさせてもらいます」
「飲んでもいいけれどね」
「飲み過ぎても駄目ですね」
「毎年いるから」
このことについても笑って言った。
「ついつい飲み過ぎて」
「いますね、そうした人」
「変なの出る人がね」
「お酒あるから」
「それはよくないから」
「そうですよね」
「ましてよく回るし」
そのお酒がだ。
「本当にね」
「お昼に身体動かすんですから」
「お餅つきもかなりの重労働でしょ」
「はい、それはもう」
思い杵を持ち上げてどんどんつく、結構な重労働だ。これをずっとやるから血の巡りもかなりよくなる。
「かなりです」
「だからよ」
「お酒飲んだら」
「凄く回るでしょ」
「それはそうですね」
「だからね」
「飲み過ぎは厳禁ですね」
僕も弁えていることだ、とはいっても今も飲んでいる。
「某海老蔵さんとか言われますし」
「ちょっと古いわね」
「ですか」
「あの人も襲名するから」
「だからですか」
「それに飲み過ぎて荒れる人は他にもいるし」
それでというのだ。
「古いと芹沢鴨さんとか黒田清隆さんとか」
「後の人は洒落になってないですね」
「そうした人達にならない様に」
「飲み過ぎにはですね」
「気をつけてね」
「はい、もう止めます」
お酒はだ。
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