おぢばにおかえり
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第六十五話 心配していてその二十一
「同じ高校で大教会だし」
「ええ、あの子もね」
「それじゃあね、ただね」
「ただ?」
「千里は同じ高校でも大教会でもなくてもよね」
お母さんには私にこうも言ってきました。
「お付き合いが出来たら」
「やっぱりね」
その時はです。
「公平にね」
「じゃあそうしてあげてね」
「そうさせてもらうわ」
「そうね、じゃあね」
お母さんはこうも言ってきました。
「これからはあの子ともね」
「仲良くしていくわ」
「そういうことでね」
「それにしても阿波野君はちょっと」
あらためて思いました、お母さんと彼のこともお話して。
「幾ら何でもおかしいわ」
「その嫌いな相手への行動が?」
「ええ、とにかく相手を異常に嫌うのよ」
幾ら何でもという位にです。
「有り得ない位に」
「そのことね、多分昔何かあったのよ」
「それでなの」
「さもないとあそこまで嫌わないわね」
お母さんもこう言いました。
「お母さんが見てもね」
「先輩とのやり取り聞いたの?」
「それは聞いていないけれど」
それでもというのです。
「千里のお話を聞くとね」
「実際に聞くと凄いから」
「全否定なのね」
「睨んで口調も冷たくて」
本当に全否定、そんな感じで取り付く島もないといった感じでした。それで私も態度が悪いと思ってそのことでもりっぷくしました。
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