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おぢばにおかえり

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第六十五話 心配していてその二十

「何処に行くにも三人一緒で」
「食べるものもでしょ」
「そうしてるわね」
「誰かを依怙贔屓したらね」
 そうしたらというのです。
「贔屓された子は自分が特別と思うしね」
「贔屓されない子は嫌な思いするから」
「よくないのよ」
「それは私もわかるわ」
 私も贔屓は大嫌いです、そんなことをしたらよくないことは子供の頃から強く思っていることの一つです。それでお母さんにも言いました。
「よくね」
「千里はそれはないから」
「自分が邪険にされたら嫌だから」
 そして目の前で贔屓されている人を見ることもです。
「だからね」
「誰にでも公平にしてるわね」
「そうする様に心掛けてるわ」
「それはいいことだから」
「これからも守っていくことね」
「ええ、ただ確かにあの子はね」
「阿波野君は」
 あの子が誰かはもうわかりました、それもお母さんがあの子と言った瞬間に。
「公平じゃないのね」
「公平でもね」
「ああ、人の好き嫌いがあって」
「嫌いな人には本当にきついわね」
「徹底的に嫌うのよね」
「基本公平でもよ」
「嫌いな相手にはそうじゃないわね」
「嫌いな人とそうでない人への態度がはっきりしているわね」
 それが阿波野君です。
「というか嫌いだと際限なく嫌うから」
「そこは千里も注意してあげてね」
「それであらためていってもらうのね」
「そうしていきなさいね」
「先輩だからよね」
 私はこう考えています。 
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