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夢幻水滸伝

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第二百七話 同盟という選択その八

「ほんまに」
「そやろ?あたくし様もそう思うで」
 ズーはそのテレサに笑顔で応えた。
「そのことはな」
「そや、女は強くあれ」
「普段はおしとやかでもな」
「怒ったらな」
「徹底的にやるんや」
「それこそ旦那さんが寝た時にな」
「流石に私もそこまでは言わん」
 テレサはズーの笑ってのその言葉にはこう返した、真剣な顔になってそのうえでの返事を今したのだった。
「洒落になってへん」
「こっちの世界でも起きた世界でもベトナムやと結構あるで」
「カイもそう言うてるけどな」
「旦那さんが浮気とかしたら」
「そうするんか」
「そやで、日本でもそうした話あったな」
「一つだけな」
 テレサはこう断わった。
「昭和、二次大戦前にあったな」
「そやろ?そやからな」
「何処でもあると言いたいんやな」
「そういうものやろ」
「日本でも聞く限りその事件だけや」
 阿部定事件である、織田作之助も世相という作品で紹介している。相手が寝ている時に首を絞めて殺してからそうしたのだ。
「他は知らん」
「あの事件だけか」
「他の国でもや、そうあるか」
「ベトナムだけやねんな、結構あるのは」
「そや、というかそれで自分もかいな」
「結婚してそうしたことがあったら」
 自分の夫が不倫したならというのだ。
「その時はわからんわ」
「やるかも知れんか」
「ひょっとしたらな」
「そうなんやな」
「まあ普段はそんなことせんから」
 ズーは明るく笑って返した。
「安心してや」
「暴れもせんか」
「本気で怒らんとな、それとな」
「それと?」
「今回のお話やね」
 それではとだ、ここでこう言ったのだった。
「今後あたくし様達はどないするか」
「そや、今東南アジアは統一に向かってる」
「シンガポールのリーさんを軸としてな」
「その流れの中で私達はどないするか」
「そのことを話す為にやね」
「来てもらった」
「そやね、ほなまずは」
 ズーはテレサの話を受けて明るく笑って応えた。
「親睦深める為に宴開こうか」
「やっぱりそうなるな」
「酒池肉林のな」
「肉は私等やないな」
「ええ冗談やけどちゃうで」
 そこは断るズーだった。
「お料理の方や」
「そやな」
「お酒もお池程はないで」
「よおさんあるってことやな」
「そやで」
 まさにその通りだというのだ。
「まあ兎に角な」
「美味しいもん飲んで食べてやな」
「親睦深めようか」
「わかったわ、ほな早速用意して」
「楽しもうな」
「それはええですね」
 カイは二人の話に結論が出たところで笑って述べた。 
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