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夢幻水滸伝

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第二百七話 同盟という選択その七

「そう言ってるんか」
「左様です」
「成程な、何かな」
「ベトナムのペースで動いてるな」 
 テレサの横にいるリサールが応えた。
「どうも」
「そやな」
「流石外交ではタイと並ぶだけあるわ」
「ほんまにな、もうこっちが話してくると読んでて」
「使者を送ったらな」
 それならというのだ。
「ここぞとばかりにな」
「言ってきたな」
 こうテレサに話した。
「ここは」
「こっちも外交は自信があるが」
「こっちの世界でも外交はベトナムが一枚上手か」
「かもな、しかしな」
「ここはやな」
「乗るか」
 リサールに鋭い目になって述べた。
「そうするか」
「それがええな、ほな二人でな」
「あの浮島に行こうか」
「そうしよな」
 二人でこう話してだ、使者に対してそこで会うと伝えてくれと告げた、そうしてだった。
 二人はその浮島に入った、その直後にベトナムから空船が来た、そこにだった。
 ズーとカイがいた、ズーは二人に合うと明るく笑って挨拶をした。
「こんにちは、こっちの世界でははじめましてやな」
「そやな、元気そうやな」
「この通りやで」
 テレサに笑顔で応えた。
「あたくし様は元気やで」
「それは何よりやな」
「それでなのですが」
 カイも笑顔である、それでテレサとリサールに言ってきた。
「これからですね」
「そや、おいら達の今後について話をしよか」
「そうしましょう」
 カイは礼儀正しい仕草で応えた、明るさが全面に出ているズーとは正反対だ。
「是非、ただです」
「ああ、ズーさんやな」
「普段はこうなんですが」
 それがというのだ。
「切れるとです」
「暴れ回るな」
「恐ろしいので」
「いや、それベトナムやと普通やで」 
 そのズーも言ってきた。
「ほんまにな」
「我が国では夫婦喧嘩で奥さんが噛んだり引っ掻いたり旦那さんが寝てる時にあの部分をは」
「最後はほんまか」
 さしものリサールも真っ青になって応えた。
「とんでもないな」
「そうしたお国柄なので」
「それでかいな」
「ズー先輩もです」
 本人を見つつ話した。
「いざとなりますと」
「暴れるんやな」
「はい」 
 まさにというのだ。
「そうされます、サイオニックですが」
「職業はな」
「ですがそれでもです」 
 本気で怒ったその時はというのだ。
「殴る、蹴る、引っ掻く、そしてです」
「噛むんか」
「そうです、お気をつけを」
「わかったわ、強烈やな」
「そこまでせなあかんな」
 テレサは二人のその話を聞いて述べた。 
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