夢幻水滸伝

「どうにもならんまでにな」
「器がちゃうな」
「先輩があかんのやない」
「リーさんが凄過ぎるか」
「流石神星の一人や」
「かなりのものやな」
「そや、リーさんの器があまりにもや」
　まさにというのだ。
「凄いんや」
「それでやな」
「あの人には絶対に勝てん、けどやな」
「賊やモンスターの征伐に向かわされた、してやられた」
「それが癪やな」
「ちょっと一戦交えたくなった」
　にやりともしなかった、その目を鋭くさせてそうしての言葉だった。
「一騎打ちをしたくなった」
「話する前にやな」
「ちょっとな、やろか」
「どやろな、おいらは正直戦は好きやない」
　リサールはテレサに真顔で述べた、実際に彼は戦は好まない。話し合いで解決出来るならそれでいいという者だ。
「そやからな」
「一騎打ちもやな」
「賛成出来ん、それに国家連合に入ればな」
　それでというのだ。
「もうそのままな」
「受け入れてくれるか」
「そう思うしな」
「一騎打ちは意味がないか」
「おいらが見る限りな、ただな」
「ただ？」
「ベトナムと話すか」
　海を挟んだ隣国であるこの国と、というのだ。
「そうするか」
「あの国とかいな」
「そうするか」
「あの国も星のモン二人やったな」
「そや、ズー先輩とカイや」
　この二人だと即座に述べた。
「二人や」
「あの国と話をするか」
「そうしたらどないや」
「そやな、癪に触ってるにしてもな」
　それでもとだ、テレサはリサールのその言葉を聞いて頷いて言った。
「それでもな」
「ただそのまま一騎打ちをしてもや」
「何かちゃうな」
「そやからここはな」
「ベトナムと話をするか」
「そうしたどないや、あちらもリーさんにしてやられたしな」
　賊そしてモンスターの征伐に向かわさせられたことを言うのだった。
「そやからな」
「この話に乗って来るか」
「そうかも知れんからな」
　それ故にというのだ。
「ここはな」
「ベトナムに使者を送って話すか」
「そうしよか」　
　こう話してだった。　
　テレサは実際にベトナムの方に使者を送った、するとすぐに返事が返ってきた。マニラに帰って来た使者はテレサそしてリサールに話した。
「是非とです」
「会いたいってやな」
「言われています」
「スーちゃんもカイもやな」
「お二人共です」
「わかった、ほなな」
　是非にとだ、テレサも応えた。
「場所はな」
「そちらも提案がありまして」
「そうなんか」
「はい、二国の間にあるカルロス浮島で、とです」
「我が国とベトナムの境やな」
「そこでどうかと」
「あそこでか」
　テレサは自分の席から述べた。