八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百二十三話 お餅つきその四
「だからね」
「今年もそれは変わらないですね」
「そうだね、けれど多いだけに」
「はい、徳積みもですね」
「出来るからね」
天理教、おみちのそれもだ。
「ちゃんとね」
「それで、ですね」
「ここはね」
「徳をですね」
「積ませてもらおう、僕達がついたお餅がおぢばでね」
「お正月皆食べてくれますね」
「そうそう、お雑煮として」
それでというのだ。
「いさんでつこうね」
「いさんで、頑張ってですね」
「そうしてね」
このいさんでというのもお餅の言葉だ、頑張ってではなくてその他の前向きという意味がある言葉である。
「やっていこうね」
「わかりました」
僕も頷いた、そして。
休憩を摂ってそこでだった。
蜜柑を食べてお酒を飲んだ、そのお酒は日本酒で。
「美味しいですね」
「いつもながらね」
「この時のお酒は美味しいよね」
「本当に」
「そうだよね」
「そうですよね」
飲みながら周りに応えた。
「この時のお酒は」
「美味しいな」
「いいことをしながら飲むお酒は」
「本当にな」
「そうですよね、僕達がつかせてもらったお餅が」
まさにそれがだ。
「皆を楽しませますから」
「食べてな」
「おぢばの人達だって沢山食べてくれるし」
「だからな」
「どんどんついて」
「そしてな」
「こうしてですね」
また飲んだけれど本当に美味しい、いいお酒なのは勿論だけれどそれ以上にお餅つきをさせてもらっているから尚更だ。
「お酒も飲ませてもらう」
「それがいいんだよな」
「じゃあどんどんついていこう」
「そして飲もう」
「そうしような」
「はい、あと親父も来てですよね」
ここで親父の話もした。
「ついたんですよね」
「ああ、あっという間に三つついてだよ」
「それで帰っていったよ」
「いい酒抜きになったとか言ってな」
「来年もって言って」
「それで今は京都に着いた頃ですか」
それかまだ電車の中かと思った。
「お袋と一緒に」
「それで美味いもの食いに行くとか言ってたよ」
「猪とか鴨とか」
「あとお豆腐とか京野菜とか」
「料亭ですかね、京都はお金出したら」
そうすればだ。
「一見さんでないとですよね」
「そうそう、美味しいもの食べられるよ」
「京都はね」
「僕達も時々行くよ」
「それで食べてるよ」
「そうですよね、お袋とまた一緒になって」
本当にあの時のことは凄かった、まるで映画だった。
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