八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百二十二話 部活も終わってその十二
「冗談抜きでやっていけないわ」
「だから食べものも」
「もう必然的にね」
北海道のあまりもの寒さに対する為にだ。
「温かいというか熱い位でもね」
「いいね」
「だからラーメンもお鍋もね」
「あるよね」
「函館でも寒いのに」
北海道の南端、入り口と言っていい港町だ。ここに旧幕府軍が五稜郭をもうけて幕末最後の戦争を行った。
「そこから北は」
「もっとだね」
「札幌もかなりの寒さよ」
香織さんの故郷で北海道最大の街だ。政令指定都市でもある。
「それで稚内とか十勝は」
「もっとだね」
「お酒飲んで外で寝たら」
「確実に凍死だね」
「まあ日本は結構そうした地域多いっていうけれど」
「ホームレスの人冬の夜はひたすら歩くらしいね」
これは実は夏以外と聞いている、歩いてそうして身体を動かして温めていないそして寝ると凍死するからだ。
「東京でも他の地域でも」
「そうよね、だからね」
「他の地域でも」
「冬に飲んで夜お外で寝たら凍死するけれど」
それでもというのだ。
「北海道は特になのよ」
「確実ってレベルで」
「そうなるわ」
凍死するというのだ。
「そこまで寒いのよ」
「ロシアと一緒だね」
「ロシアなんか交通事故で死ぬ人よりも多いらしいから」
お酒を飲んでそのまま夜外で寝て凍死する人がだ。
「深刻よね」
「洒落になってないよね」
ロシアにとってはだ。
「そんなので沢山の人が死んだら」
「そうよね」
「それで北海道も」
「そこまで寒いから」
だからだというのだ。
「お蕎麦もね」
「熱いんだね」
「若し冬にざるそばなんかしたら」
それこそというのだ。
「相当暖かいお部屋でないとね」
「お蕎麦が凍るとか?」
「そこまでは流石にしても」
それでもというのだ。
「味は落ちるわ」
「そうなるんだね」
「だから私としては」
「温かいお蕎麦がだね」
「食べたいわ」
年越し蕎麦にはというのだ。
「本当にね」
「それで身体ぬくもって」
「お寺行きましょう」
「そうだね、じゃあ明日はゆっくりして」
「明後日ね」
「行こうね」
年末年始のデートにだ。
「二人でね」
「ええ、そうしましょう」
「その時が楽しみだよ」
明後日に決まった大晦日から新年へのデートがだ。
「僕も」
「私もよ。何か凄い一年だったけれど」
「その一年もね」
「やっと終わって」
「新しい年がはじまるよ」
「そうね。来年はどうなるか」
「それは誰にもわからないね」
人間にはだ、三年先は闇というけれど人間それこそ明日のこともわからない。それが人間というものだ。
「もうすぐはじまるけれど」
「それでもね」
「わからないしわからないからこそね」
だからこそだ。
「面白いし。それじゃあ」
「ええ、明後日ね」
「二人で行こうね」
香織さんと約束して部屋に戻った、本当に色々あった一年だけれど間もなく終わることを実感しながら。
第三百二十二話 完
2021・3・1
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