夢幻水滸伝
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第二百六話 複雑な諸島その十四
「贅沢はやろ」
「興味ないですね」
「そや、そこんとこ欧州の人達とちゃか」
「あっちは何かみらびやかで」
「ざっくばらんで大酒大食のこっちとちゃう」
「こっちは贅沢よりも大量に飲んで食う」
「そっちやしな、まあそこは文化とかそれぞれの性格やな」
そうしたものが関係するというのだ。
「そやからな」
「特に何も言わん」
「そうしよな、それで私等は」
「こうして居酒屋や食堂で出る様な料理を大量に食って」
「そして普通のお酒をとことん飲んでな」
「そのうえで楽しむ」
「それでいこな、高価な服もでかい宮殿もなくてもな」
そうした贅沢はせずとも、というのだ。
「こうしてや」
「楽しめるな」
「そや、しかし自分敬語と普通の言葉混ざってるな」
「敬語苦手で」
「そうなんか」
「日本語でそこは」
「日本語の難しいとこの一つやな」
テレサも言った。
「どうしても」
「そうですね」
「私も実は苦手や」
他ならぬテレサ自身もというのだ。
「敬語はな」
「そうですか」
「どうもな、けど一応な」
不得意なりにというのだ。
「使ってるで」
「そうしてるんやな、先輩も」
「学年上の人は先輩と呼んでるしな」
「それはおいらもで」
「私に対してだけやないか」
「そこは」
「それが出来てたらある程度ええか」
テレサは納得した、自分達の中で。
「それやと」
「そうかと」
「それもそやな、ほな今は」
「こうして二人で飲んでいきましょか」
「食べてな」
こうしたことも話してだった。
テレサとリサールは二人で飲んで食べて楽しんだ、二人になった彼等はそうしていってまずは楽しんだのだった。
第二百六話 完
2021・4・15
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