夢幻水滸伝
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第二百六話 複雑な諸島その九
人の往来を盛んにして商業も発展する様にしてだった。
農業についてもだ、こう言った。
「お米に加えてバナナとか果物もな」
「大いに作って」
「そうして民が食べてですね」
「そのうえで売りもする」
「そうもしますね」
「農産物を売るのもええ」
こちらもというのだ。
「国の利益になる、それで農業にもな」
「力を入れていきますね」
「そうしていきますね」
「これからは」
「それと島国やから漁業にもな」
こちらにもというのだ。
「力を入れてな」
「魚介類も執ってですか」
「そして食べますか」
「売りますか」
「そうするで、干物とか加工品も造って」
そうもしてというのだ。
「養殖もな」
「していってですか」
「そちらも食べる」
「そうしていきますか」
「人はやっぱり食わんとな」
そうしないと、とだ。テレサは言った。
「あかんわ」
「はい、種族に関わらずです」
「人は食べないと生きられません」
「どんな種族でも」
「そのことは事実です」
「そやからな」
それでというのだ。
「ちゃんとな」
「食べられる様にしますね」
「民の全てが安定して食べられる」
「そうしますか」
「そうするで、ただ私はアサシンや」
テレサは微妙な顔になり自分の職業のことも話した。
「農民でも商人でも漁師でもない」
「だからですか」
「内政には限界がありますか」
「そう言われますか」
「そうした職業やともっと効果的に出来るんやろな」
こう言うのだった、やや残念そうに。
「それが残念や、しかしそれを言うてもな」
「はい、仕方ないです」
「そう言われましても」
「ですからここはです」
「テレサ様の出来る限りのことをされてな」
「実際そうするつもりやしな、ほなな」
テレサは周りの意見も受けてあらためて述べた。
「出来る限りのことしてな」
「国を豊かにしてですね」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「民の暮らしもよくしていきますね」
「そうしてくで」
テレサはクールな声で言った、そしてフィリピンの統一を進めつつ内政もそうしていった。その中でだった。
他国を見たがその状況はというと。
「中国やアメリカは順調に統一されていて」
「そして大国への道を歩んでいますね」
「恐ろしいまでの勢力になっていきそうですね」
「二国共な、どっちも星のモン多いしな」
テレサは官邸で書類仕事をしつつ応えた。
「そうなってるな」
「左様ですね」
「そして東南アジアでもです」
「統一が進んでいますね」
「各国共」
「そやな、まあ私はフィリピン一国でな」
それでというのだ。
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