真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
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第12話 袁紹の初恋
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ありがとうございました。
更新の励みになります。
これからも頑張りたいと思います。
私とお爺々様が昼ご飯を食べていると、柄の悪いいかにもチンピラ2人組が食堂に入ってきました。
彼らは適当な席に、座ると店主に注文を済ませました。
私は自分の料理に視線を戻し、昼ご飯を食べることに専念しました。
それから四半刻過ぎたころでしょうか。
「おい、オヤジ!ちょっとどういうことだ!」
「オヤジ!ちょっと説明しやがれ!」
チンピラ2人組が何か叫んで騒ぎ出しました。
何事かと店内の客がチンピラ2人組を見ています。
「あのお客様、どのようなご用件でございますか?」
「ご用件だと!見てみろこの料理を!髪の毛が入っているじゃねえか!お前の店は客に、こんな料理を食わせるのか!」
「申し訳ございません!只今、作り直させていただきますので」
「おい!オヤジ!それで済むと思ってるのか?」
チンピラ2人組の1人が凄みを聞かせながら、店主に言っていました。
「お客様、どのようにすればお許しいただけるのでしょうか?」
店主は面倒な客だと思いつつ、丁寧な態度を取っていました。
「そうだな、今日の売り上げ全て寄越せば、許さなくはないぜ」
店主のその反応に、チンピラ2人組はニヤッと表情を一瞬変えて言いました。
明らかに、言いがかりを付けて、たかろうという腹ですね。
「そ、それは、それだけは勘弁してくださいませんか?それでは店が立ち行かないです」
店主は頭を下げて謝っていました。
可哀想だと思いましたが、あの店主を助けると目立ちますね。
せめて袁紹達が居なくなってくれればいいんだけど・・・。
などと店主とチンピラ2人組を見ていました。
私が食事をしている最中になんて五月蝿い人達ですのっ!
「あなた達、五月蝿いですわよっ!静かになさい!この私が食事中なのですわよ!」
私はおもむろに席を立つと見た目が悪人面の2人組に向かって言いました。
「なんだと!ガキは黙ってろ!」
悪人面の2人組が私達を睨みつけながら怒鳴ってきましたわ。
何て人達なのかしら、こんな野蛮な人達初めて会いますわ!
この袁本初に向かって、偉そうですわね。
許せませんわ!
「猪々子さん、やっておしまいなさい!」
「えっ!姫ー。アタイじゃ無理ですよ!」
猪々子さんが抗議してますが、認めません事よ。
主君の為に、家臣として頑張りなさい。
「猪々子さん、あなたは私が侮辱されて悔しくありませんの!さっさとあの野蛮な人達をやっておしまいなさい!」
「麗羽様、相手は大人なんですよ。いくら力持ちの文ちゃんでも無理ですよ」
斗詩さんまで何なのですの!
「さっきから、ごちゃごちゃ五月蝿せえぞ!この糞ガキ!」
「あっ!姫、危ない!くっ!」
野蛮な人達の1人が殴り掛かってきました。
私は殴られると思ったのですが、猪々子さんが私を庇ってくれたので殴られませんでしたわ。
「猪々子さん、だ、大丈夫ですのっ!しっかりなさい」
私は殴られた猪々子さんに駆け寄りました。
「いっ、痛っ!・・・あ、姫ー。大丈夫でした・・・か?」
「猪々子さん、大丈夫ですの?」
私は心配になって尋ねました。
「まあ、大丈夫かな・・・。足をちょっと挫いちまったかな」
猪々子さんは少し苦痛な顔で私を見ていましたわ。
許せませんわ!
「あなたなんてことをするんですの。私が誰か知って」
私が言い終わる前に、野蛮な人達は怒鳴ってきました。
「テメエが誰かなんか知るか!」
「痛い目に会わせてやるぜ!」
な、何て野蛮な人達なのかしら、それより私は、袁家の者なんですのよ!
私は周囲を見渡すと、誰も私と目を合わせようとしませんわ。
店主に至っては、何ですのあの態度はっ!
だ、誰もなんで私を助けませんのっ!
私は、こ、怖くなんてありませんわ、本当ですのよっ!
「正宗、さっさとあの暴漢を追い出して参れ」
お爺々様は一度、箸を休め、私にそのことを告げると、直ぐに、食事を再開しました。
「お爺々様、私は父上、母上に危険なことを禁止されておりますので、無理です」
袁紹に関わりたくない私は、お爺々様に小声で言いました。
「お前は儂に、暴漢の相手をしろというのかの?この老体には無理じゃ、それに儂は、昔から荒事は苦手じゃ。それとも正宗、困っているか弱き淑女を見捨てるのか?お前の父と母もこの程度、目を瞑ってくれるはずじゃ」
お爺々様は目を瞑り、嘆かわしいことじゃと言わんばかりの態度を取りました。
「お爺々様が『淑女』というのはどこにいるのでしょうか?私には暴漢に喧嘩に売っている愚か者にしか見えません。しばらくすれば騒ぎを聞きつけた警邏の兵が駆けつけると思います。わざわざ私が出しゃばらなくても良いかと思います」
私は、お爺々様に食い下がりました。
「警邏の兵が来る前に、あの少女達が大怪我をしたらどうするのじゃ。お前はそれでも無視を決め込むつもりなのかの。昔、お前は言ったはずじゃ。弱き者を守りたいと。あの言葉は嘘じゃったのかの?」
お爺々様はそのことだけ告げると、また、食事を再開しました。
・・・・・・。
こう言われては私も何も言い返せません。
お爺々様も人が悪いです。
お爺々様は人助けの為に、私が武を振るうことには、賛成でした。
都督のジジに、私が軍属としての指導を受けれたのもお爺々様のお陰でした。
はぁ~、正義の味方は辛いですね。
確かに、お爺々様の言う通り、助ける者を選り好みしてはならないです。
それは弱き者を守るとは言わないです。
私は席を立つと、袁紹と暴漢の間に入りました。
「なんだお前?ガキ、邪魔だから失せろ!」
「生憎とここを退く訳にはいかないのですよ。できればなんですが、ここは黙って帰ってくださいませんか?」
私は無理だろうと思いつつ、暴漢と円満解決を図ろう丁寧に言いしました。
「あぁ?何で俺達が帰らなくちゃいけねんだ!俺達は被害者なんだぞ!店の親父に慰謝料も貰ってねえのに帰るわけねえだろうが!その糞むかつくガキ達にも嘗めた真似したらどうなるか教えてやらないと気が済まねえんだよ!」
暴漢達は頭に血を上らせながら、大声で私に怒鳴りました。
お前達が被害者って・・・。
一部始終を見ていた私には、明らかにお前達が言いがかりを付けているとしか思えないんだけど。
はっきり言ってお前達のやっていることは三文芝居もいいところだよ。
仮に、暴漢達の言い分が正しかったにしても、慰謝料の限度を超えていると思います。
「そうですか・・・。仕方ないので、実力行使させて貰います。怪我しても文句は言わないでくださいね」
私は暴漢達を力強く真っすぐ見据えていいました。
私は不安に・・・、じゃないですわ。
少々、野蛮な人達に手こずっているのですわっ!
そんな私の前に、颯爽と、男の子が現れました。
彼は私達に一度目を向けると、野蛮な人達と対峙しました。
歳は私と同じ位ですわ。
私の華麗さに比べたら、地味な子ですのね。
幼なじみの白蓮さんみたいですわね。
彼は野蛮な人達に向かって、帰るように言っていましたわ。
何なのかしらこの子っ!
野蛮な人達は、私に無礼を働いたばかりか、猪々子さんを殴り怪我をさせましたのよ。
こんな野蛮な人達にはケチョンケチョンにしなくては気が済まないですわ!
私が心の中で、不満を口にしていると、どうやら彼と野蛮な人達は交渉決裂したようですわ。
オーーーホホホホ、当然ですわ。
この袁紹に無礼を働いたのですから、私の誇りに懸けて帰すわけには参りませんわ。
「そこの貴方っ!見事、野蛮な人達をケチョンケチョンにして下さいまし!」
私は彼に言いいましたわ。
なんなんでしょう?
先程までは、不安でしたのに・・・、不安じゃないですわね。
こ、この私が不安なんてありえないですわっ!
ほんのちょっとだけ、不安でしたのよ。
それなのに今は凄く落ち着いていますわ。
彼の所為なんですの?
ぱ、白蓮さんのような地味な人のお陰なんて、絶対に有り得ませんわ!
慌てて、彼に視線を戻すと、野蛮な人達の一人が彼を殴りつけてきましたわ。
彼はその小さな体で、野蛮な人の拳を片手で受け止めていましたわ。
私は驚きましたわ。
あの力だけはある猪々子さんを殴りつけたあの野蛮な人の拳をものともしないなんて・・・。
「すいませんが直ぐ終わらせてもらいますね」
彼は一言言うと、野蛮な人の懐に入り込み腹に一撃を放ちましたわ。
あの無礼な野蛮な人は白目を向いて、膝を付いて前のめりに倒れましたわ。
オーホホホホホホ、いい気味ですわね!
それにしても、私、彼のお姿を見ているだけで、体が熱くなりますわ。
彼、凛々しいですわっ!
もう一人の野蛮な人は驚いていますわ。
彼は最後の一人の野蛮な人に近づくと、一瞬体勢を崩し、野蛮な人の左足の関節に蹴りを入れましたわ。
「ぎぃやあああああああーーーーーー!」
野蛮な人が絶叫を上げ、野蛮な人の足は変な方向に曲がっていますわ。
い、痛そうですわね・・・。
彼は体勢を崩して、叫んでいる野蛮な人の背後に回り、腕で首を絞めて気絶させていましたわ。
最初に倒された野蛮な人同様、白目を向いてますわね。
オーホホホホホホ、気分が良いですわね。
それにしても私どうしてしまったのでしょう。
彼を見ると体が熱くなりますわ。
こんなこと、今までに体験したことがありませんわ。
これがもしかして・・・、巷で聞いた事があるあれですわねっ!
「私は貴方に恋をしてしまいましたわ」
私は気付くと彼に近づきながら、そう言ってしまいましたわ。
な、何てはしたないことをしていますの。
気付いた彼は、私の告白に動揺しているみたいですわ。
キャァーーーーーー、まずいですわ、気まずいですわ!
私の顔から火が出そうな位、熱いですわ。
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