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夢幻水滸伝

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第二百六話 複雑な諸島その四

「そやからな」
「ご存知ですか」
「あいつか、ほなな」
 それならとだ、テレサは言った。
「ちょっと会ってな」
「そうしてですか」
「一緒にやってく様誘うか」
「ですがあの方は今マニラにはおられません」
 市長はすぐに答えた。
「今は何処におられるか」
「わからんか」
「一時マニラに寄られてギャンブルで稼いでおられましたが」
「ギャンブラーらしいな」
「今はです」
「マニラを去ってか」
「色々言われています」
 こうテレサに話した。
「何処におられるか。この国におられるのは間違いないですが」
「そんな奴か」
「はい、そうです」
「ほなあいつは今は探さんで」
 テレサは市長の話を聞いてすぐに考え結論を出した。
「まずはこの街をな」
「マニラをですか」
「そしてその周りをな」
「治めて下さいますか」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「この国の治安をよくしてな」
「内政もですか」
「してくか」
「ではお願いします」
「ああ、市長さんはこのままな」 
 市長に対しても話した。
「この街を治めてくれるか」
「そうして宜しいですか」
「私は特殊技能と能力のせいで政はわかる」
 それはというのだ。
「しっかりとな、けどな」
「それでもですか」
「やることが多いからな」
 それ故にというのだ。
「マニラの内政の責任者にな」
「私がなり」
「そして官僚の仕組みもな」
 即ちマニラの統治システムもというのだ。
「今はそのままでな」
「そうしてですか」
「やっていきたい、そやからな」
「私は引き続きですね」
「マニラ市長や」
 その役職だというのだ。
「頼むで」
「ではやらせて頂きます」
「ただ言うなら市長さんは首相でな」
「テレサ様が大統領ですか」
「そうそう、こっちにもその役職あるんやな」
 テレサは市長のその言葉にそれはという顔で応えた。
「大統領って」
「国家元首ですね、共和制の」
「そやで」
「それならあります、共和制の国も多いですから」
「それぞれの勢力がそう自称してるか」
「そこで大統領とです」
 その役職でというのだ。
「就いている人もいます」
「そやねんな」
「はい、そして」
 市長はテレサにさらに話した。
「私も知っています」
「そういうことやな」
「左様です」
「わかったわ、それで私はな」
「大統領ですか」
「言うならな、それでな」
 テレサはここでまで聞いて市長にあらためて言った。 
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