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夢幻水滸伝

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第二百六話 複雑な諸島その三

 この世界のことも彼が知っている限り話した、その話を全て聞いてだった。
 テレサはコーヒーを一口飲み市長に言った。
「わかった、この世界も色々あるな」
「はい、テレサ様が起きた世界におられる世界とはです」
「別世界でな」
「人間以外も人の種族はいて」
「私自身天使族やしな」
「そしてモンスターもいてです」
「浮島もあって地下世界もある」
 テレサはこのことは自分から言った。
「そして術もある」
「そちらの世界では科学だけですね」
「科学文明の世界や」
 起きた世界の技術のことをこう話した。
「そうなってる」
「左様ですね」
「そや、そこはちゃう」
「ですがこの世界では」
「魔術に錬金術もあるな」
「科学以外にも」
「そうした技術が使われていてやな」
「独自の文明を構成しています」
「そして戦の時も術として使われてる」
 テレサはこのことも話した。
「そこもちゃうな」
「そうした世界です」
「そやな、よおわかった」
 テレサは市長に微笑んで答えた。
「全部な」
「それは何よりです」
「ほなや」
 テレサはさらに言った。
「私はまずはこのマニラとその近辺からや」
「旗揚げですか」
「そうして治めてな」 
 そうしてというのだ。
「そこからフィリピンを統一するわ」
「それを目指されますか」
「フィリピンを統一して東南アジアもな」
「そちらもですね」
「どうするかや。しかし私は自分で思うけれど」
 自分のことも見てだった、テレサは市長にこうも言った。
「東南アジア全体を治める器やない」
「そう言われますか」
「そやからな」
「それは、ですか」
「他の人のことか」
 若しくはとだ、テレサはその目を鋭くさせて市長に話した。
「東南アジアの星のモンが力を合わせてやってくか」
「どちらかですか」
「少なくとも星のモンが全員力を合わせんと」
 さもないとという言葉だった。
「この世界は救えん」
「それは言われていますね」
「そやから星のモンは二百人以上おる」
「多くおられるのですね」
「そや、そしてその中にな」
「テレサ様もおられる」
「そう思うからな」
 それ故にというのだ。
「私自身はな」
「フィリピン一国ですか」
「その器やと思ってる」
「そうなのですか」
「フィリピンにはもう一人星のモンがおるらしいけどな
「リサール様ですか?」
 市長はすぐにテレサに答えた。
「フェリペ=リサール様ですね」
「あのテニス部の一年か」
 テレサは彼の名前を聞いてすぐにこう言った。
「トランプとか麻雀とかが好きな」
「はい、ギャンブラーの」
「あいつがフィリピンのもう一人の星のモンやったか」
「ご存知ですか」
「同じ学校で同じ国の先輩後輩やからな」
 その間柄だからだというのだ。 
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