夢幻水滸伝
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第二百六話 複雑な諸島その二
「そやからな」
「退屈なら寝てたらいいですが」
「そうしないんですね」
「それで日曜でも働きますか」
「退屈が嫌なので」
「そうした人が多いけれどな」
それでもというのだ。
「ここではちゃうか」
「ちなみにわし等当直です」
「当直でここにいます」
「その代わり明日は休みです」
「それで明日は寝てる予定です」
「わしは漫画読もうと思ってます」
番兵達はそれぞれテレサに話した。
「そうするつもりです」
「家に帰って」
「そうか、では今から市長さんの家に行きたいが」
テレサはプライベートのことも話した番兵達にあらためて言った。
「教えてくれるか」
「はい、それでしたら」
「ここです」
番兵達はマニラの地図を出して今自分達がいる市庁舎からその市長の家まで知らせた、そしてだった。
貝殻を出して連絡を入れた、そうしてからあらためてテレサに話した。
「連絡もしましたから」
「何時でも行っていいですよ」
「市長さん飲んでましたけれど頷いてくれました」
「星の人が来ると聞いて驚いていました」
「そうか、ほな今から行く」
テレサは番兵達の言葉を受けて述べた。
「そうするな」
「はい、それでは」
「そうして下さい」
番兵達はテレサに敬礼をして応えた、それを受けてだった。
テレサも返礼をしてから市長の家に向かった、市長の家は十七世紀のスペインの宮殿を小さくした様な家だった。
その家にも番兵達がいたが彼女の姿を見るとだった。
市長の家の番兵達はすぐに言った。
「お待ちしていました」
「ではです」
「どうぞ」
「お入り下さい」
「そうさせてもらう」
テレサも応えてだ、そうしてだった。
広い庭を通り家というよりは大きな屋敷の門を叩いた、するとそこからだった。
小太りの森人の初老の男が出て来た、彼はテレサを迎えると自ら言った。
「私がこのマニラの市長です」
「そしてマニラの周りもやな」
「治めています」
こうテレサに話した。
「ですが」
「それ以外の地域はやな」
「はい、ではそのお話も」
是非にとだ、彼は言ってきた。
「したいので」
「今からじっくりとか」
「宜しいでしょうか」
「私は今無職や」
テレサはクールな感じだが目まで笑って話した。
「お金はないが時間はある」
「それではですね」
「聞く時間はある」
こう答えるのだった。
「そやからな」
「はい、それでは」
「マニラとその周りのことにフィリピンのことさらに」
市長に対して自分から言った。
「この世界のことも知ってる限りね」
「お聞きしたいですね」
「そうしてくれるか」
「それでは」
市長も頷いて応えた、そしてだった。
市長はテレサにコーヒーを出してそうして自分もコーヒーを飲みながらマニラとその近辺だけでなくだった。
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