夢幻水滸伝
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第二百五話 タイの参加その四
「そこはわかってるからな」
「イギリス料理といえば」
「世界的に有名やしな」
「そやからですね」
「それでティーセットや」
紅茶が美味しいと言われればティーセットと言って欲しいと返すというのだ、このことはマロリーのユーモアである。
「そう言うんや」
「あの国はティーセットと朝食ですね」
「他はカレーか」
「カレーは何処でも食べますね」
「今やな」
「我が国もカレーでしたら」
スーンは笑って自国の話もした。
「かなりですよ」
「そう言うと思った、実はな」
「紅茶のお話を出した時からですか」
「そう来ると思ってた」
「読まれていましたか」
「私もカレーは好きや」
リーは話がこれは自分のペースになってきたことを実感しつつスーンに返した、これも彼の読み通りである。
「そしてタイのカレーもな」
「お好きですか」
「この世界でもな」
「そやからですね」
「こっちに来てくれるか」
「タイがですね」
「自分達もな」
スーンそしてコープチッティもというのだ。
「仲間になってくれるか」
「聞きたいことがあります」
スーンはリーの申し出に彼の眼を見つつ問うた。
「宜しいでしょうか」
「民と国土のことやな」
「どうされますか」
「人は人や」
リーはまずこう答えた。
「そして国土は国土や」
「等しいですか」
「この世界の何処もな、私達はこの世界を救う星のモンや」
「それならですか」
「そや、シンガポールもタイも同じや」
自分の国もスーンの国もというのだ。
「国家連合の領土やとな」
「それならですか」
「民も土地もな」
「等しく治める」
「これまでもそうしてきた」
「そやからですね」
「タイも同じや、豊かにして」
そしてというのだ。
「大国にもな」
「していきますか」
「そのつもりや」
「そのこと約束出来ますね」
「何なら文章にしようか」
リーは不敵とさえ思える笑みでスーンに応えた。
「そうしよか」
「そこまで言われますか」
「私が信じられんのやったらな」
「まさか。同じ学校で何年も同じ学年でいて」
「寮でもな」
「よく顔を見合わせているのです」
そうした間柄だというのだ。
「そうですさかい」
「私のことも知ってるな」
「はい、そうですさかいそこまでは」
言わないとだ、スーンは答えた。
「ええです」
「私を信頼してくれるか」
「そもそも信頼していますから」
だからだとだ、スーンは紅茶を飲みつつ話した。
「ここまで来ました」
「クアラルンプールまで」
「貴方はこうした時約束は守ります」
「信頼がないと何も出来ん」
リーはきっぱりと言い切った、言い切りつつクッキーを食べる。紅茶だけでなくそちらも用意されているのだ。
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