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夢幻水滸伝

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第二百四話 穀倉地帯からその八

「軍を分散させたことは策です」
「策といいますと」
「ですからリー君の」
 その彼のというのだ。
「賊やモンスターの征伐をさせたのは」
「インドネシアそして」
「我が国にもです、フィリピンやベトナムもですが」
 この国々もそうなってきたがというのだ。
「急に情報が入ってきましたね」
「賊やモンスターの居場所について」
「これはです」
「リーさんがあえて流しましたか」
「それも事実を」
 虚報ではなくというのだ。
「我々に賊やモンスターを征伐させ」
「軍を分散させましたか」
「しかも治安をよくさせる」
 民や土地を害する彼等をいなくさせてというのだ。
「時間稼ぎと治安の健全を計った」
「治安といいますと」
「ですから後に東南アジアが統一された時に」
「そこまで考えてですか」
「そうです、政の先の先まで考えて」
 そうしてというのだ。
「手を打った」
「そうした策ですか」
「はい、それがリー君ですね」
「恐ろしい方ですね」
「全くです、これではインドネシアもです」
 ロシティーとアユが率いるこの国もというのだ。
「勝てません」
「一枚も二枚も上手ですね」
「ですから」
 その為にというのだ。
「これは勝てません、戦力が分散している時に急襲を受けますし」
「まさにリーさんの戦略通りですか」
「全ては」
 そうだというのだ。
「我々の状況も含めて」
「これが神星の方ですか」
「そうかと」
 スーンの顔は真剣なものだった。
「我々とは違います」
「まことに一枚も二枚も上手ですね」
「そしてインドネシアに勝てば」 
 スーンはそこから先も話した。
「次はです」
「我が国ですか」
「そうなるでしょう」
「既に我が国は国家連合に囲まれていますし」
「しかも東南アジアで最も農業が盛んで」
 食料がありというのだ。
「産業も栄えているので」
「まずそうなりますか」
「そうかと、ただリー君が攻めても戦は何があるかわかりません」 
 インドネシアが勝つ可能性もあるというのだ。
「戦というものは不確定要素に満ちています」
「確かに」
 コープチッティも頷くことだった。
「そうですね」
「はい、ですから」
 それ故にというのだ。
「インドネシアが勝ってもです」
「おかしくないですか」
「そうかと。ただまずです」
「国家連合が勝ちますね」
「星の人の数が違いますね」
「何でも国家連合は今は十一人ですね」
「インドネシアが二人に対して」
 ロシティーとアユだけだが、というのだ。インドネシアの方は。
「あちらは元々の国家連合の星の人達に加え」
「さらにですね」
「日本から四人雇っています」
「由香っち達ですね」
 コープチッティは彼女の名前を出して応えた。 
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