夢幻水滸伝
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第二百四話 穀倉地帯からその七
「攻めてです」
「あのリー君がですか」
「はい、そうしてです」
「戦に入ったのですね」
「左様です」
「リー君がそうするとは」
戦を好まない実際にここまで見事な政で勢力を拡大してきた彼がというのだ。
「マレーシアとは戦をしましたが」
「実際は殆ど戦わずで」
「ほぼ軍を動かしただけでしたが」
「それが今回はです」
「自ら攻めてですか」
「はい」
「ここはすぐにバンコクに戻りましょう」
寒気、そこまで感じてだった。スーンは言った。
「そして詳しくです」
「このことについてですね」
「考えていきましょう」
「それでは」
「戻りましょう」
現場の者達にはそのまま働く様に告げてだった、スーンはコープチッティと共にバンコクに戻った。そうしてだった。
まずは国家連合とインドネシアの戦について情報収集を行った、そして二人で情報を検証してからスーンは言った。
「インドネシアも我々と同じく賊やモンスター退治に軍を向けていました」
「あの国の各地に」
「水軍も含めてです」
「あの国は諸島国家ですさかい」
コープチッティも話した。
「水軍もでしたね」
「我が国もそうしていましたが」
「あの国は尚更でしたね」
「そして諸島にもです」
そこにもというのだ。
「兵を向けていて」
「それで、でしたね」
「軍を分散させていたので」
「そこを国家連合は衝いた」
「そうしてきましたね」
「はい、軍が集結されていますと勝てません」
国家連合はというのだ、それはインドネシアの方が国力軍事力も含めたそれがかなり違うからである。
「それで、です」
「軍が分散している今を衝いたのですね」
「そうですね」
まさにというのだ。
「国家連合は」
「左様ですね」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「今攻めたのでしょう、リー君は戦いは好みませんが」
「それでもですか」
「機を逃さない」
「そうした人なのですね」
「ですから戦もです」
それは好まないがというのだ。
「必要とあればです」
「行う人で」
「それが今です」
まさにというのだ。
「それで動かして」
「そしてですか」
「戦に入りました」
「見極めて」
「ですから」
それでというのだ。
「リー君がどれだけ恐ろしいか」
「そのことをですね」
「今実感しています」
「機を逃さない人ですか」
「政治戦略がしっかりしています、しかも」
「しかも?」
「今気付きました」
スーンは今度は難しい顔で言った。
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