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夢幻水滸伝

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第二百四話 穀倉地帯からその六

 スーンもコープチッティの彼等の征伐にタイ軍の殆どを割きそれだけでは足らず冒険者にも依頼を出して対処した、そうしていると。
「他国との戦なぞ」
「出来ないですね」
「とても。するつもりはなくても」
 最初からそうであってもというのだ。
「これではです」
「それどころではないですね」
「急に賊やモンスターの居場所が多くわかって」
 それでというのだ。
「対応が大変になりました」
「全くですね」
「はい、その間にです」
 スーンはコープチッティに言った、今は二人で北東部のジャングルに出て自分達でモンスター退治を行っている。
 多くのモンスター達を倒しつつだ、スーンは話した。大蛇の頭の一撃を真上に跳んでかわしてから術で瞬時に凍らせた。
 そして着地してだ、マンティコアを一撃で倒したコープチッティに話した。
「シンガポールはマレーシアも併呑しました」
「カンボジア、ラオス、ミャンマーとですね」
「ブルネイときて」
 そしてというのだ。
「マレーシアもです」
「これで我々は完全に囲まれましたね」
「次は我々ですね」
 タイだとだ、スーンは倒され仲間になりたいと言ってきた大蛇とマンティコアを迎えつつそうして言った。
「そうなりますと」
「左様ですね」
「ですから」
 それでというのだ。
「いよいよです」
「シンガポールとですね」
「お話をすることになるかと」
 こう言うのだった。
「そして最悪のケースですが」
「戦もですね」
「あります」
 可能性としてというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「ですから」 
 それでというのだ。
「覚悟を決めましょう」
「そうですね、今我々は兵を向けられませんが」  
 賊やモンスター達の退治で、であるのは言うまでもない。
「ですが」
「それでもですね」
「何とかです」
「お話をして」
「決めましょう」
「シンガポールと」
 こうしたことを話しつつ自ら出て賊やモンスター達の退治を行った、そして内政にも力を注いでいてメナム川に堤防も築かせていたが。
 スーンはその視察に出ている時にバンコクで留守を守りかつ全体の内政を観ていたコープチッティが彼のところに来てそのことを言われてまずは我が耳を疑った。
「インドネシアとですか」
「はい、シンガポールを中心とした国家連合がです」
 コープチッティも驚いた顔である。
「戦にです」
「入りましたか」
「はい」
 そうなったというのだ。
「ここで」
「嘘やないですね」
 スーンは思わず聞き返してしまった。
「そのことは」
「わしも最初聞いてです」
「そう思われましたか」
「国力差がちゃいますから」
 国家連合とインドネシアでは、というのだ。
「流石に」
「ではインドネシアから攻めたのですね」
「いえ、国家連合からです」
 コープチッティは信じられないという顔でまた言った。 
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