八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百十九話 お茶漬けを食べてその十二
「そう考えるとな」
「命懸けだったんだね」
「まして太宰は結核だっただろ」
「結構重かったんだよね」
自殺する直前は喀血もしていたという。
「確か」
「長生き出来ない位にな」
「そうだったね」
「それでその頃の酒は酷かったからな」
「メチレンだよね」
メタノールみたいなものが入っていたものもあった。
「それで三合飲んだら死ぬっていう」
「カストリって言ってな」
「酷いお酒が出回っていたね」
「実際飲んで死んだ人もいるだろ」
「戦争生き残ってお正月に飲んでね」
奥さんにお正月はおとそがないなんてあるかと言ってそうしたお酒を無理に持って来させてだったらしい。
「それでだね」
「そうした人もいたしな」
「遊ぶのもだね」
「命懸けだったんだよ」
「特に太宰は」
「ああ、それで遊ぶってのもな」
「命懸けなんだね」
親父に言葉を返した、僕もカルーアミルクを飲みながらだった。
「その実は」
「俺だって気をつけてるしな」
「女の人と遊ぶにも」
「それに酒もな」
「お酒も?」
「毎日かなり飲んでるけれどな」
それでもというのだ。
「肝臓を壊さないぎりぎりでな、あとビールや日本酒はあまり飲まないだろ」
「そういえばそうだね」
僕も言われて気付いた。
「ワインとかが多いね」
「梅酒とかもな」
「あと焼酎も飲むね」
「ビールは痛風があるからな」
これを好きだと本当に痛風になりやすい、実際にビールの国と言ってもいいドイツでは国民病となっている。
「それで日本酒は糖尿病だしな」
「それでなんだ」
「こうした酒は好きでもな」
「あまり飲まないんだね」
「そうしていてな」
そしてというのだ。
「ワインとかが多いんだよ」
「そうなんだね」
「太く短くでもお前も母さんもいるんだ」
「僕がいるから」
「だから死ねないさ、そうそうな」
太く短くでもというのだ。
「だからな」
「それでなんだ」
「ああ、遊んでいても気をつけてるんだよ」
親父なりにそうだというのだ。
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