八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百十九話 お茶漬けを食べてその七
「問題があったらそこを言うんだ」
「そして動くことだね」
「そうだよ、悪口ばかり言ってもな」
「聞いていて腹が立つだけだね」
聞いている方がだ、今そこにいるコミュニティの悪口ばかり言っている人が好かれるかというと言うまでもない。
「そうだね」
「それで嫌われるんだよ」
「そうなるね」
「そんなことで嫌われてもな」
「仕方ないね」
「嫌われてもやらないといけないことがあるけれどな」
「変なことで嫌われてもね」
「嫌われ損だろ」
「そうだよね」
「だからな」
「人の悪口ばかり言っても」
「意味ないんだよ、不平不満を言ってもな」
「それで物事が解決しないしね」
「不満があるなら動けってな」
その様にというのだ。
「思うだろ」
「僕もね」
「ああ、嫌なことがあったら変えろ」
「自分でだね」
「ああ、それが嫌ならな」
「黙ってろってことだね」
「思っていてもな」
それでもというのだ。
「言わないことだよ」
「そうだよね」
「さっき話した長男さんなんてな」
「不平不満ばかりの人だったよね」
「どんなに世話になっていてもな」
それでもだった、あの人は。僕も知っていることだ。
「恩に感じるとかな」
「なかったね」
「ああ、それでな」
「そのいるところや人達への文句ばかりだったね」
「不平不満な」
「それで後ろ足で砂かけることばかりして」
「嫌われていたんだよ」
そうだったというのだ。
「あの人はな」
「下らない嫌われ方だね」
「それで下らない人だな」
「それで何処が偉いのか」
尊大さでも有名な人だったけれどだ。
「本当にね」
「そうだよな」
「恰好悪いよね」
「俺もその人はそう思うさ」
「本当の意味で恰好悪い人だね」
「不平不満や悪口言うよりもな」
「そこを黙って変えようとする方がいいね」
僕もこう思った。
「むしろ」
「そうだよ、努力してな」
「あの人は努力する人じゃなかったね」
「全くな、努力していない人程な」
親父は僕にこの世の摂理の一つも話してくれた。
「そうして不平不満悪口ばかり言ってな」
「恰好悪いね」
「それで何も知らないのにな」
「偉そうに言うね」
「その長男さんみたいにな」
「恰好悪いったらありゃしないね」
僕もつくづく思った。
「多少の不平不満は我慢してね」
「いい部分を楽しむもんだよ」
「それが恰好いいってことだね」
「ああ」
その通りという返事だった。
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