八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百十九話 お茶漬けを食べてその六
「今も残っているけれどな」
「そうだよね」
「けれど俺はそうした人達と違うからな」
「外国にいるとだね」
「余計に日本が好きになるな」
「そうなっているんだね」
「最初に海外旅行に行ったのは六歳の時か」
「子供の頃だね」
八条家ではよくあることだ、世界中でビジネスをしている家だからだ。
「その頃にだね」
「ハワイに行ったけれどな」
「やっぱり日本と違うよね」
僕もハワイに行ったことがあるから知っている、あちらは日本の観光客も日系人の人も多いけれどだ。
「あちらも」
「俺はハワイ大好きになったけれどな」
「その時に行って」
「それで今もだけれど日本とはな」
「違ってだね」
「それで日本に帰って実感したんだよ」
六歳の時の親父はというのだ。
「日本はいいってな」
「そうだね」
「ああ、それでイギリスに行ってな」
「その食べものにだね」
「水の話も言った通りで寒いし他にもな」
「日本と違って」
「どの国も色々あるんだよ」
どうにもという点はというのだ。
「それでそういうのも実感してな」
「日本のことも再認識して」
「やっぱり日本がいいってな」
その様にというのだ。
「思ったのがな」
「親父なんだね」
「ああ」
実際にというのだ。
「本当にな」
「そうなんだね」
「それでな」
「日本の悪口ばかり言う頭のいい人達は」
「馬鹿だってな」
その様にというのだ。
「思うぜ、土人の国にいるとか言ってな」
「嫌に思うならね」
「国立大学の教授さんだからな」
その土人、国民の税金で運営されている。国公立は何処でも税金で運営されている。だから学校の先生も公務員なのだ。
「もう土人に飯食わされてるとか恥だろ」
「自分でそう思うよね」
「だったら即刻大学辞めてな」
教授の仕事をだ。
「自分の姿勢を示さないとな」
「駄目だね」
「俺はそう思うぜ、その人の話を聞いてな」
「それで日本からもだね」
「土人に囲まれて嫌だろ」
差別用語をぶつける様な人達にはというのだ。
「だったらな」
「それならだね」
「教授辞めるだけでなくな」
さらにというのだ。
「日本から出てな」
「暮らすべきだね」
「そうした人こそ日本以外で暮らせないけれどな」
「そうだろうね」
自分がいるコミュニティの中で不平不満ばかり言ってそうして何もしようとしない、言うだけの人なんてだ。
「精々野垂れ死にだよね」
「そうなるのがヲチさ」
「そうだよね」
「俺はそんな人達にはなりたくないしな」
「日本の悪口は言わないね」
「問題は確かに色々あるけれどな」
それでもというのだ。
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