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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百十九話 お茶漬けを食べてその五

「夫婦でないとね」
「じゃあお前も何時か行けよ」
「夫婦善哉食べにだね」
「自由軒のカレーにな」
「それといづも屋の鰻だね」
「そうしたもの食うならな」
 それならというのだ。
「お前もな」
「僕自身が言ったことだし」
「二人でな」
「行ってだね」
「食えよ、あと法善寺横丁は美味い店他にもあるからな」
「そうしたお店にもだね」
「機会があったらな」
 その時にというのだ。
「行けよ」
「そうするね」
「是非な、それとな」
 親父は僕にさらに言ってきた。
「俺はデザートは抹茶アイスにしたな」
「僕はミルクレープでね」
「これもだよ」
 そのデザートもというのだ。
「日本にしかないからな」
「抹茶を使ったお菓子もだね」
「抹茶を使うなんて凄いぜ」 
 お菓子にというのだ。
「最高に美味いだろ」
「これがいいんだよね」
 僕も抹茶アイスが好きだ、そして他の抹茶を使ったお菓子もだ、これが随分と美味しくて結構食べている。
「だからね」
「それでだね」
「ああ、日本に来たらな」
「抹茶のお菓子も食べていて」
「それでな」
「今から食べるんだね」
「そうするんだよ、和食はメジャーになったけれどな」
 世界的にだ。
「それでも他の国で食えない日本の食いものってな」
「多いんだね」
「お茶漬けにしてもそうでな」
「枝豆とかもで」
「それで抹茶を使ったお菓子もな」
「それでだね」
「ああ、だからな」 
 それでというのだ。
「日本に帰ったら食う様にしているんだよ」
「それで抹茶アイスもだね」
「食うぜ」 
 その様にするというのだ。
「そうするな」
「何か親父ってこだわり強いね」
 僕は親父の話からまたしてもしみじみと思った。
「食べものにも」
「だから俺はな」
「こだわる人だね」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「食いものでもなんだよ」
「こだわって」
「それで日本に帰ってもな」
「日本でないとそうそう食べられないもの食べるんだね」
「ああ、やっぱり日本はいい国だよ」
 またしてもしみじみとした口調で言った。
「幾ら問題のある国でも悪口ばかり言うなんてな」
「信じられないよね」
「理解出来ないな」
「昔はそうした人今より多かったんだよね」
「頭のいい学者さんとか作家さんにな」
「もう口を開けば日本の悪口ばかりで」
「そんなに嫌いならってな」
 日本から出て行って他の国で暮らせばいいと、とだ。親父は言葉の中にこの一文を入れてきた。嫌いな国にいて嫌いな人達と一緒にいたくないだろうと。 
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