八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百十九話 お茶漬けを食べてその四
「それで生きものを飼う資格のない奴にな」
「平気で売るんだね」
「可愛がっていて子供出来たら邪険にしてポイとかな」
「最低だよね」
「俺もそう思うさ、けれど平気でそうする奴がな」
「世の中いるんだね」
「それで日本はそうした店や業者や買い手への法的な整備がまだまだでな」
悲しい現実だ、本当に。
「それでその元凶の一つの生体販売がな」
「行われているんだね」
「ああ、欧州じゃもうな」
「そういうのはないんだ」
「そうだよ、こうしたこととか問題点は多いけれどな」
それでもというのだ。
「やっぱり日本はな」
「いい国だね」
「世の中他の国引き合いに出して日本の悪口を言う人もいるがな」
「知識人で多いよね」
「知識人な、今の日本で一番馬鹿な奴等だ」
「吉本隆明とかだね」
「他にもな、その馬鹿な連中もいるけれどな」
このことも日本の問題点だというのだ。
「それでもな」
「日本はいい国だね」
「ああ、そのこともわかるさ」
「そうなんだね」
「だからな」
それでというのだ。
「俺もこうして時々帰ったら」
「日本を満喫するんだ」
「食うことでもな」
「そうなんだね」
「心から言うぜ、物凄くいい国だよ」
日本という国はというのだ。
「こんないい国はないと思うぜ」
「親父がそこまで言うからにはね」
「わかるだろ」
「うん、日本はいい国だよ」
僕は親父に答えた。
「本当に」
「そうだよ、それとな」
「それと?」
「明日は母さんとカレー食いに行こうって話したけれどな」
「お袋となんだ」
「お前もどうだ?」
僕に笑いながら誘いをかけてきた。
「難波までな」
「ああ、難波でカレーっていったら」
「自由軒な」
「あのお店に行ってだね」
「あそこのカレー食ってな」
そしてというのだ。
「他のお店にもな」
「行ってだね」
「食べ歩くんだけれどな」
「それなら二人で行けばいいよ」
僕は親父に笑って返した。
「自由軒行ったらいづも屋も行くよね」
「鰻のな」
「それで最後は法善寺横丁に行って」
「夫婦善哉な」
「織田作之助だね」
この人の代表作夫婦善哉で出て来るお店だ、三つ共。
「それならね」
「二人でか」
「行けばいいよ、何処も夫婦で行くお店だしね」
「夫婦善哉だからか」
親父も笑って言ってきた。
「だからか」
「うん、だからね」
それでというのだ。
「そうしてきたらいいよ」
「そうか、お前がそう言うならな」
「夫婦善哉は特にね」
このお店に行くならだ。
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