八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百十九話 お茶漬けを食べてその三
「それでお湯にしてもな」
「まずくてなんだ」
「紅茶なんだよ」
「成程ね」
「それで欧州全体でだよ」
「お水が悪くて」
「お茶漬けにしてもな」
硬水それも日本で売っている様な代物でなくてというのだ。
「よくないんだよ」
「だから日本に帰るとなんだ」
「絶対に食ってるんだよ、そしてこのお店でもな」
「美味しいんだね」
「このお店で一番だよ」
そのお茶漬けがというのだ。
「生きててよかったぜ」
「そこまで言うんだ」
「ああ、本当に美味いな」
「そうなんだね、僕も美味しいとは思うけれど」
親父とは違ってお茶漬けでも海苔茶漬けだ、それを食べながらそのうえで親父に対して言葉を返した。
「そこまではね」
「だから外国に住んでるとな」
「わかることだね」
「俺の言ってることがな」
「そういうことだね」
「ああ、それとな」
「それと?」
「デザートは何食うんだ」
僕にお茶漬けを食べつつ聞いてきた。
「それで」
「まだ考えてないよ」
こう親父に返した。
「そこまでは」
「そうか、まだか」
「ちょっとね」
「好きなの頼め」
デザートについてもそうしろという返事だった。
「何でもな」
「そうしていいんだ」
「ああ、俺もお茶漬け食ったらな」
その後でというのだ。
「気が向いたままにな」
「注文するんだ」
「そうするからな」
「じゃあお茶漬けの後は」
「デザートな」
「最後のだね」
「ああ、最高のご馳走を食ってるけれどな」
そのお茶漬けをだ。
「けれどな」
「それで終わらずに」
「デザートも欲しいからな」
「それじゃあね」
「ああ、好きなの頼むんだな」
親父はお茶漬けを本当に美味しそうに食べながら僕に言った。そうして二人共お茶漬けを食べ終わってからだった。
僕達はデザートを注文した、僕はミルクレープで親父は抹茶アイスだった。もうお酒は頼まなかった。
親父は注文してから僕にあらためて言った。
「外国にいたら尚更な」
「日本のよさがだね」
「わかるんだよ」
「いい国だって」
「そりゃ問題はあるさ、欧州は生きものの生態販売とかないからな」
「あれ問題だっていうね」
「ああ、生きものを飼う資格のない奴でも買えるんだよ」
ペットショップで売られている生きものをだ。
「それでな」
「不幸な生きものが出るよね」
「ペットショップやブリーダーも色々でな」
「悪質なお店や人がいるよね」
「もうその裏側なんてな」
ペット業界のそれはというのだ。
「最近はどうもヤクザ屋さんが関わっていたりな」
「ヤクザ屋さんってのは何処にでも関わるね」
「何があっても悪事で儲けようって人達だからな」
「それでだよね」
「ああ、ペット業界にも関わっていてな」
「悪いことしているんだ」
「ああ、生きものを商品を生み出す道具にしたりな」
僕にはすぐにわかった、その商品こそがお店やネットで可愛く紹介されている犬や猫達に他ならないとだ。
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