八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百十八話 恰好悪い馬鹿その十六
「本当にね」
「お茶漬けに対してか」
「うん、そこまで食べたいんだね」
「だから日本の味にな」
「日本にいないとだね」
「餓えるんだよ」
そうなるというのだ。
「そうなるからな」
「今から食べるんだね」
「ああ、絶対に完食するぜ」
そのお茶漬けをというのだ、僕は親父のその考えを聞いてお茶漬けというのも馬鹿に出来ないと思った。
「いいな」
「それじゃあ僕も頼もうかな」
親父の話を聞いてこう思った。
「お茶漬けを」
「そうするか?」
「うん、そうしようかな」
「いいぜ、じゃあ頼みな」
親父は僕の考えに笑って言った。
「本当に日本じゃないとそうそう食えないからな」
「そうしたものだからだね」
「卵かけご飯とな」
「お茶漬けはだね」
「日本以外じゃ食えないからな」
だからだというのだ。
「食っておける時に食わないと後悔するぜ」
「あの時食べておけばよかったって思って」
「実際にな」
「そうなんだね」
「だからな」
それでというのだ。
「ここでな」
「食べておくべきだね」
「卵かけご飯もな」
こちらの話もすることになった。
「これがな」
「日本以外ではだね」
「食えないからな」
「卵を生で食べるとかそうそう出来ないんだよね」
「あたるからな」
これに尽きた。
「ロッキーみたいなことは実際にはな」
「ああ、生で何個も一気に飲む」
「そんなことはな」
「滅多に出来ないんだ」
「日本以外の国じゃな、そして生卵に合うお米もな」
これもというのだ。
「ないんだよ」
「ジャポニカ米じゃないとなんだ」
「ああ、だからな」
「日本にいたらだね」
「食えよ」
是非にというのだ。
「卵かけご飯もな」
「何でもないことでも」
「そうだよ、食っておけよ」
「日本以外じゃそうは食べられないから」
「ああ、というか生もの食うってな」
このこと自体がというのだ。
「本当に日本以外の国だとな」
「ないんだね」
「そうなんだよ、そうそうは」
「それはどうしてもあるね」
「元々刺身は中国の料理だけれどな」
「三国時代とかよく食べてたんだよね」
特に長江流域の呉ではだ、この国の主の孫権は無類の酒好きだったけれどお刺身と一緒によく飲んでいたのだろう。
「確か」
「ああ、それで水滸伝でもあるだろ」
「宋江がお刺身にあたってるね」
「その場面もあるだろ」
「そういうの見てたらね」
「中華料理っていえば火だけれどな」
大抵は火を通す、中国人はそうでないと食べない人が殆どだったという。
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