八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百十八話 恰好悪い馬鹿その十七
「けれどな」
「お刺身は元々はだね」
「中国料理でな、アメリカでもな」
この国でもというのだ。
「プロレスラーが生肉食ったりもするけれどな」
「そうなんだ」
「そうだよ、あそこは色々な国から人が来てるからな」
移民の国だけあってだ。
「ドイツでタルタルステーキがあってな」
「元々は東欧からだったかな」
「あっちから入ってな」
そしてというのだ。
「アメリカはドイツ系も多いだろ」
「結構以上に多いよね」
「それでだよ」
「あっちでも生肉食べるんだ」
「ああ、けれどな」
「やっぱり主流じゃないね」
「そうなんだよ」
生で食べる食文化はだ。
「他の国だとな」
「だから生卵もそうそう食べなくて」
「卵かけご飯もだよ」
これもというのだ。
「どうしてもな」
「日本以外の国じゃ食べられないね」
「イタリアじゃまずないからな」
親父が今いる国だ。
「そんなものは」
「お茶漬けもだね」
「本当にまずないからな」
「それで今だね」
「食うぜ、日本に戻ったら一回は絶対に食ってるからな」
僕にこうも言った。
「今日も食うぜ」
「それじゃあね」
「お茶漬けが世界中で食えれば」
ここでだ、親父は言った。
「もう世界に和食が完全に定着した時だ」
「卵かけご飯もかな」
「そうだよ、世界中何処に行っても食いたいぜ」
親父はこうまで言った。
「俺もな」
「親父の本音だね」
「ああ、じゃあそろそろ来るからな」
その御茶漬けがというのだ。
「食おうぜ」
「日本でしか食べられないものを」
「ああ、二人でな」
僕に確かな声で言った、そしてだった。
ここでお茶漬けが来た、それで僕達はそれぞれのお茶漬けを受け取った。それは見ただけで美味しそうだった。
第三百十八話 完
2021・2・1
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