八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百十八話 恰好悪い馬鹿その十三
「そうしたね」
「じゃあ後はデザートか」
「それも食べるんだね」
「いや、まだある」
「まだ?」
「日本にいるんだぞ」
それならというのだ。
「もう一つ忘れたらいけないものがあるだろ」
「デザートの前になんだ」
「デザートはどの国にもあるだろ」
日本以外の国にというのだ。
「むしろ欧州、イタリアもな」
「デザートの本場だね」
「ああ、だからな」
「デザートは食べても」
「その前に絶対に食わないといけないものがあるんだ」
「日本にいたなら」
「それは何かっていうとな」
親父は僕に一呼吸置いて言ってきた。
「お茶漬けだ」
「ああ、それだね」
「わかるな」
「お茶漬けは日本だけの食べものだね」
「お米食う国でもだよ」
この場合は主食としてだ。
「ああして食う国はないんだよ」
「そうらしいね」
「ああ、お米が違ってな」
「それでだね」
「大抵の国はインディカ米なんだよ」
「細長くて粘りがあまりない」
「タイとか中国とかインドとかな」
「多くの国がそうだね」
「アメリカもだよ」
カリフォルニア米が有名だけれどだ。
「そうなんだよ」
「それで欧州でもだね」
「ああ、リゾットとかパエリアあってもな」
「それでもだよね」
「インディカ米でな」
「お茶漬けに向いてないね」
「それでお茶もな」
こちらもだ。
「日本のお茶じゃないんだよ、海苔とか漬けものとかもな」
「なくて」
「勿論お茶漬けの素なんてないぜ」
これもというのだ、日本ではそれこそスーパーに行けば色々な種類のものがふんだんに売られているけれどだ。
「それでな」
「外国にいるとなんだ」
「時々無性に食いたくなるんだよ」
「日本人の性分だね」
「ああ、だからな」
「今食べるんだ」
「日本の居酒屋には絶対にあるだろ」
お茶漬け、それはというのだ。
「そうだろ」
「まあないお店ないだろうね」
僕もこう思った。
「沢山飲んだ後はね」
「〆にだな」
「これって人多いから」
「刺身に枝豆、唐揚げ、ソーセージに冷奴にな」
「卵焼きにししゃもにね」
「それにな」
「お茶漬けはね」
まさにだ。
「居酒屋の王道メニューだね」
「そうだろ、だからな」
「今親父居酒屋にいるから」
「食うからな」
絶対にというのだ。
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