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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百十八話 恰好悪い馬鹿その七

「本とか一切読まないで遊んでばかりで家ではな」
「テレビばかり観ていたんだ」
「それで碌でもない人になってな」
「碌でもない息子さんを育てたんだ」
「ああ、本当にテレビには気をつけるんだ」
 僕に忠告してくれた。
「テレビを観ると馬鹿になるっていうだろ」
「それは印象操作を受けるからだね」
「その兄ちゃんみたいなのはそうそういないがな」
 そこまで頭があれな人はというのだ。
「けれどな」
「それでもだね」
「人間油断するとな」
 何も考えずにテレビを観ると、というのだ。
「取り返しがつかないことになるぞ」
「怖いね」
「普通にさっき話した茸頭の女流学者さんもテレビに出てるだろ」
「うん、いつもね」
「どんな人か知らないでその話を聞くとな」
「鵜呑みにしてしまうね」
「あんなとんでもない人の言うことでもな」 
 例えそれが学者とはとても思えないレベルの主張でもだ。
「信じてしまうんだよ」
「そうなんだね」
「まあテレビの言うことは鵜呑みにしないでな」
 そうしてというのだ。
「自分でしっかりと勉強しろ」
「そういうことだね」
「あんなおばさんの言うことおかしいってな」
 その学者さんに他ならない。
「ちょっと勉強したらわかるだろ」
「本当にちょっとでもね」
「ああ、そもそもいつも周りに論破されてるだろ」
「テレビでもね」
「そんな人の主張なんてな」
 それこそというのだ。
「鵜呑みにしたらそれこそな」
「その方がおかしいよね」
「そのおかしいことを信じる様にならないことだ」
「信じたら本当にそのお店の人みたいになるね」
「どうにもならない馬鹿にな」
「そうだよね」
「そして選挙に行くとな」
 その時はというと。
「行くのはいいさ」
「行かないのは論外だね」
「行かないと本当に日本は変になるぞ」
 選挙に行ってしっかりした人に投票して当選させないとだ、これはもう民主主義の絶対のことである。
「そうなるからな、けれどな」
「選挙に行ってもだよね」
「変なのに投票したらな」
「同じだよね」
「いるだろ、その大阪に」
「そのお店の人がいた」
「おばさんで丸い目で黒いショートヘアの」
 親父は凄く嫌そうに僕に話した。
「歯が出てるな」
「あの自分の言いたいことだけ延々と喋る人だね」
「他の人が喋るの邪魔してまでだな」
「目立ちたがりで嘘泣きの」
「あのおばさんだよ」
「あの人かなり評判悪いね」
 ネットではいつも非難轟々だ。
「実際に色々悪い話があるし」
「人に疑惑の総合結社って言ってもな」
「むしろだよね」
「ああ、しかもマジで前科があるだろ」
「そうだよね」
「ああした人ばかりになるぞ」
「そうなったら日本は終わりだよ」
 僕は心から思った。
「あんな人ばかりが政治家になって国を動かしたら」
「そうなるだろ、だから選挙には行かないといけないけれどな」
「それでもだよね」
「行ってもな」
 これ自体はいいことにしてもだ。 
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