八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百十八話 恰好悪い馬鹿その六
「写真があってもな」
「やっぱり文章を読んでね」
「頭の中で場面とかを想像するな」
「そうだよね」
「けれどテレビはな」
この媒体はというと。
「動画がまともに目に入るだろ」
「それで頭にもね」
「しかも声もするな」
「音楽とかもね」
「耳にも入るだろ」
目から直接頭に入るだけでなくだ。
「直截な」
「目と耳から」
「もう想像する手間もなくな」
「だから影響が凄いんだね」
「ああ、そこが問題でな」
「しかも品性もな」
これもだ。
「視聴率はそっちの方が稼げるからな」
「それでなんだ」
「ああ、下品でな」
「質も悪いんだ」
「それでそうした奴が言ってることがな」
「ダイレクトに頭に入るから」
目と耳からだ。
「危ないんだね」
「しかもテレビはどの家にもあるな」
「新聞読まない人でも観るしね」
雑誌は買わない人もいるけれどだ。
「それでもね」
「ああ、だからな」
「影響は絶大なんだ」
「誰でも観るからな、暇だったら皆観るな」
「そうするね」
食べる時でもだ。
「普通に」
「そのこともな」
「大きいんだ」
「ああ、それで考えないで観るとな」
「危ないんだね」
「簡単に洗脳されるぞ」
テレビで言っている人にだ。
「本当にな」
「そしてテレビの方もそれを狙っているんだね」
「ああ、喋ってる奴はな」
「そう思うと怖いね」
「その兄ちゃんみたいな馬鹿もな」
本当に馬鹿だけれどだ。
「普通にな」
「出来るんだね」
「テレビの言うことを聞いていたらな」
「そうなるんだね」
僕もサイコロステーキを食べている、程よい堅さで小さく切られて焼かれている牛肉がとても美味しい。
「それも普通に」
「昔はテレビで野球の試合は巨人ばかりだったんだ」
「それで巨人ファンが多かったんだね」
「ああ、北朝鮮と同じだよ」
「あそこはあの一家ばかりだね」
「それで洗脳してるのと一緒でな」
親父は僕に梅酒をさらに飲んで話した。
「巨人もな」
「ファンを増やしていたんだ」
「マスコミは親会社だからな」
「それが強みだったんだね」
「ネットがなかったからな」
今の様にだ。
「昔は」
「それで巨人ファンが多くて」
「そして印象操作がな」
「テレビは酷くて」
「その兄ちゃんみたいな馬鹿も出るんだよ」
「あのお店の人はテレビを観て馬鹿になったのかな」
「だろうな、さっき話した長男さんの母親も酷かったけれどな」
親は子供の背中を見て育つと言うが質の悪い人が子供を甘やかすとその子供も質が悪くなるということか。
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