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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百十八話 恰好悪い馬鹿その五

「それでもね」
「俺が直接聞いたらそうしてやるさ」
「その場でなんだ」
「縛ってな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「遺族の人達の前に送って」
「もう後はな」
「好きにしてくれで」
「放り出す」
「そうするんだね」
「そいつがどうなろうと知るか」 
 親父はサイコロステーキ、さっき頼んでおいたそれを食べながら僕に話した。完全に言い捨てる言い方だった。
「もうな」
「死ぬかも知れないよ」
「それでもな」
「そうするんだ」
「ああ、手当はするがな」
「それでも死んでもいいんだ」
「人の痛みや苦しみ、悲しみをわからないわかろうともしないならな」
 もうそれならというのだ。
「生きていてもな」
「意味がないんだね」
「人間は人のそうしたことがわからないとな」 
 それこそというのだ。
「生きてる意味がないんだよ」
「だからだね」
「ああ」
 そう考えるからだというのだ。
「マスコミにも多いけれどな」
「多いね」
 テレビを観るとわかる。
「そんな人は」
「俺はそんな奴は嫌いなんだよ」
「そこも親父らしいね」
「昔からな」
「何かね」
 僕はさらに話した。
「テレビに出てる人ってね」
「質が悪い奴が多いな」
「そうだよね」
「もう視聴率それに印象操作しか考えてないからな」
「だからなんだ」
「視聴者を煽って思いのままに動かそうってな」
 報道の中立性なんてもうないとしか思えない。
「それでな」
「だからだね」
「そうしたことばかり必死だからな」 
 それでというのだ。
「質の悪い連中もな」
「多いんだ」
「ああ」
 実際にというのだ。
「テレビにはな」
「そうなんだ」
「新聞もそうだけれどな」
「テレビはなんだ」
「特に酷いんだよ」
「確かに新聞はまだ品性があるけれど」
 それでもだ。
「テレビは品がないね」
「そうだな」
「それでいて影響大きいしね」
「新聞よりもずっとだろ」
「そして雑誌よりもね」
 僕もこのことは実感している。
「大きいね」
「新聞や雑誌は目に見えるだけだな」
「読んでね」
「文章をな」
 これをだ。 
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