八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百十八話 恰好悪い馬鹿その四
「あの人は」
「それでもああしてな」
「どうかしてるんだね」
「俺はあの人お前が生まれる前からテレビで観てきたんだよ」
「ずっとああだね」
「何度論破されてもな」
事実を指摘されてだ。
「四半世紀はな」
「ああ言ってるんだ」
「そうだよ」
「あの、真実を調べる気ないのかな」
「自分の学説が間違ってるかだな」
「そう思わないのかな」
四半世紀の間論破され続けてだ。
「あの人は」
「真性だとな」
何について真性かはもう言うまでもなかった。
「絶対にだよ」
「わからないんだ」
「他にも額が広くて吊り目で眼鏡かけた出っ歯の爺さんいるだろ」
「経済の人だよね」
「あの爺さんでもな」
「ずっと昔からなんだ」
「人を口汚く罵ってな」
人相が悪いのはそのせいだろうか、人間悪いことを言うと人相にも出る。だから不平不満や悪口ばかり言う人は人相が悪い。
「ずっとだからな」
「あんな顔になったんだ」
「あの人もずっとなんだよ」
「同じこと言ってるんだ」
「ああ、世の中何があってもな」
「事実がどうでもだね」
「事実を見ないでな」
そうしてというのだ。
「ああ言い続けてる人もいるんだよ」
「学者でもだね」
「そうだよ、吊り目で出っ歯の爺さんは学者じゃないけれどな」
「言うなら知識人だね」
「ああ、そうした仕事にあってもな」
「あれな人はあれだね」
「勉強の問題じゃないんだよ、学校の先生は勉強を教えるな」
他ならぬそれをだ。
「つまり勉強はな」
「誰よりも出来るね」
「けれどあれな人多いだろ」
「職業で言えば日本で一番じゃないかな」
日本においてはだ。
「学校の先生は」
「そうだろ、だからな」
「人間勉強が出来ていい大学を出ていても」
「頭がいいとは限らないんだ」
「他のことだね」
「どんな生き方をしてるかでな」
それでというのだ。
「徐々にでもな」
「なっていくんだね」
「今話した大阪の兄ちゃんみたいになるにはな」
「相当馬鹿な本を読んでだね」
「馬鹿な連中と付き合ってな」
「馬鹿な生き方をしないとだね」
「なれないんだよ」
「そういうことだね」
「まあここまでの馬鹿は最悪のサンプルだ」
それこそまともな親御さんなら泣くレベルのだ。
「幾ら何でもな」
「殺された人の痛みがわからない、わかろうともしないんじゃね」
「ああ、もうどうにもならないだろ」
「うん」
僕もこう答えるしかない、その人の話を知ってるだけに。
「遺族の人達の前に突き出したいね」
「それで同じこと言わせたいな」
「どうなるか知らないけれど」
半殺しかそれ以上の目かだ。
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