八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百十七話 日本にいることその十三
「諦めないでな」
「恰好良い様にだね」
「すればいいんだよ」
「そういうものなんだ」
「自衛官の人達だってな」
あの制服姿が恰好良くてもだ。
「そんな時ばかりじゃないさ」
「恰好悪い時もあるんだ」
「絶対にな」
人間だからだというのだ、親父は粋な仕草で飲んで食べていて恰好悪く見えないけれどそんな話をしてくれた。
「けれどな」
「それでもだね」
「あの人達はそれも仕事だしな」
「恰好良くするのも」
「それでだよ」
実際にというのだ。
「ああしてな」
「恰好良くだね」
「していてな」
それでというのだ。
「やっていってるからな、俺もな」
「その自衛官の人達みたいに」
「出来る限りそうありたいと思って」
「そうやってるんだ」
「そうだよ、人間恰好悪い時があってもな」
「それで折れないで」
「恰好つけたらいいんだよ」
こう僕に話してくれた。
「散々恰好悪い思いしてもな」
「それで折れないことだね」
「俺の考えだとな」
「成程ね、恰好悪い思いはね」
「お前もしただろ」
「かなりね」
十七年生きてきてだ。
「それでそうした時もね」
「あっただろ」
「うん、もうしょっちゅうだよ」
「それも人生だよ、そして恰好悪い思いをするのもな」
それもというのだ。
「人生の勉強だよ」
「そうなんだ」
「そこから学ぶことも多いさ」
「嫌な思いからもなんだ」
「そうさ、だからお前もな」
「そこから学べばいいんだね」
「どれだけ恰好悪い思いしてもめげるな」
僕に父親として言ってきた。
「いいな」
「何があってもだね」
「ああ」
まさにというのだ。
「それでもだよ」
「恰好良く生きる」
「そうしろ、ただそれは中身だ」
「内面だね」
「それをそうしろ、さっき話した人みたいにな」
「働かなくて尊大で恩知らずで無神経で」
「この人は自分の服にはいい服着たけれどな」
服には凝ったらしい、これも恰好をつけることだ。
「けれど生き様はだろ」
「誰が見ても恰好悪いね」
「ああいう人が本当に恰好悪いってことだ」
「生き様がそうだと」
「ああ、ああした人になりたくないならな」
「中身だね」
「そこだよ、そこが恰好良い人はな」
僕に飲みながら明るく話した。
「本物だってことだ」
「幾ら恰好悪い思いしても」
「格好良いんだよ」
「そうなんだね」
「それがわかるかどうかでな」
「違うんだね」
「ああした人やネットの荒らしや嘘吐きの元文部次官を恰好良いって言うならな」
最後の人も恰好悪い、正義の告発者どころか汚いケースの女好きでしかも卑しい人だと僕は思っている。
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