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夢幻水滸伝

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第二百二話 リーの切り札その三

「田辺瑠璃子ちゃんやで」
「林由香様、知ってるやろ」
「野上紗枝お嬢様って呼んでや」
「岡本雅美姫今日も奇麗やろ」
「帰ってええで」 
 アユは四人の名乗りを受けっすぐにこう返した。
「日本に」
「えっ、雇われたんですけどうち等」
「それですぐ帰れっていうんは」
「流石にお金前払いしてもらってますし」
「それは幾ら何でも」
「いや、その名乗り聞いてすぐにこの言葉出たわ」 
 アユは四人にこうも言った。
「ほんまな」
「あの、この簾中って」
 ハリムはリーにどうかという顔で問うた。
「かなりいい加減そうですが」
「一年の間では有名ですよ」
 アルフィアンはリーにどうかという顔で話した。
「いい加減で」
「いい加減なのはわかってる」
 リーはアルフィアンのその問いに冷静な顔で答えた。
「最初からな」
「それでもですか」
「雇った、いい加減やが能力はあって」
 そしてというのだ。
「やることはやるからな」
「そやからですか」
「ここは力を借りる」
 そうするというのだ。
「戦力にさせてもらう」
「あの、早速怠けだしてますけど」 
 ブッパースウォングは四人がくつろぎだしお茶とごま団子を食べながらトランプをはじめたのを見て言った。
「ええんですか?」
「ああ、怠けた分金は払わん
 リーの言葉はここでも冷静だった。
「そやからええ」
「そうですか」
「おい、ほんまに金払わんからな」
 リーは四人にも言った。
「怠けたらな」
「あっ、それは困ります」
「お金払ってもらわんと」
「お願いですから」
「それは止めて下さい」
「それが嫌やったらまずは軍議に入るんや」
 こう四人に告げた。
「ええな」
「わかりました」
「ほな今から軍議ですね」
「それに入らせてもらいます」
「うち等も」
「それでははじめるで」
 その軍議をと言ってだった、リーは四人も入れた仲間達を会議室に招いた。そうして言うのだった。
「軍をジャカルタに向けるで」
「敵の首都にですか」
「そや」
 ティンのその問いに答えた。
「主力を私等十一人全員で率いてな」
「そうしてですか」
「今ジャカルタには十万の兵がおるが」
「その十万だけですか」
「集結させられても十五万、こっちも十五万やが」
「星の人の数がちゃいます」
 ティンは強い声で答えた。
「相手は二人に対して」
「こっちは十一人、そして相手の星はロシティーが天の星でな」 
 そしてというのだ。
「アユさんが人の星やな」
「そうですね、そして私達は」
「天の星はおらんが」
 ロシティーと同格の者はというのだ。 
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