夢幻水滸伝
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第二百二話 リーの切り札その一
第二百二話 リーの切り札
リーはインドネシアとの戦に入ることを決定した、兵を進めているが彼等がインドネシアの領内に入る前に使者を送っていた。
「領土に入る前やとな」
「それならですね」
「ええ、その前に宣戦布告をしておけば」
こうアルフィアンに話した。
「この世界でも外交儀礼としてええ」
「外交儀礼は守る」
「逆に言うと守らんとな」
「野蛮、無作法とみなされ」
「それだけ評判が落ちる」
そうなることも話した。
「それが問題や」
「そやからですね」
「確かに軍は動かしてるが」
「その軍がインドネシアの領域に入るまでに宣戦布告の使者を送ったのですね」
「そして使者がジャカルタを出てや」
そうしてというのだ。
「インドネシアも出る時にな」
「我が軍はインドネシアの領域に入る」
「そうなるわ」
「そういうことですね」
「敵が軍備を整える時にな」
「そうなりますか」
「宣戦布告と同時に攻め込む」
既にこちらは軍備を整えていて相手がそれを整える前にそれを行うことはというのだ。
「プロイセン軍や日本軍もしてきた」
「それで一気に攻めてですね」
「勝ってきた、電撃戦もそやろ」
「ああ、ナチスのあれですね」
チュットは電撃戦と聞いて述べた。
「航空機と砲撃で敵の前線を破壊して戦車で突っ込む」
「あれを見てもわかるな」
「宣戦布告と同時に攻めると強いですね」
「先んずれば人を制すとも言う」
リーは今度は項羽が語った言葉を出した。
「強い相手でもな」
「先に。敵の用意が整う前に攻めれば」
「それだけで有利になりますね」
「そや、しかもな」
「外交儀礼もですね」
「守る、これで批判させる謂れはない」
評判を落とすこともないというのだ。
「万全や、それにロシティーもアユさんも使者を送ってもな」
「その使者に何かをする人達やないです」
ブッパースウォングが言ってきた。
「決して」
「そや、相手も外交儀礼を守る」
「そやから使者も送れましたね」
「これがそんなん守らん相手やとな」
「使者も送れないですね」
「殺させに行く様なもんやからな」
その危険があるからだというのだ。
「そんなところに使者は送れん」
「全く以てですね」
「そやからな」
それでというのだ。
「このことはロシティーに感謝や」
「全くですね」
「あいつも出来た奴やってことや」
「その出来た人との戦ですか」
「今はな、しかし後は」
戦の後のこともだ、リーは話した。
「もうな」
「仲間ですか」
「そうなるわ」
「やはりそうなりますね」
ティンは笑って言ってきた。
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