夢幻水滸伝
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第二百一話 島々を一つにその七
ロシティーはアユと共に移動の術でアンボンに入った、そうしてそのうえでそこに集結していた軍勢に出陣を命じた。
二人はそれぞれ空船に乗ってニューギニア島の西に向かい。
まずはファークファークに向かった、この街も彼等に反抗的であったが。
ロシティーはこの街のすぐ北に軍勢を上陸させた、そこにいる敵対する部族の軍勢を観たが即座にだった。
音楽を奏でた、それは敵を眠らせる音楽で。
彼等を全員眠らせたうえで軍を上陸させた、ロシティーは上陸を成功させるとすぐに兵達に命じた。
「眠ったモンは全員捕虜にしてや」
「そうしてですか」
「一時牢に入れますか」
「いや、起きたら全員解放する」
そうするというのだ。
「当然武器は取り上げてな」
「あの、そうしてもです」
「敵はまた歯向かってきますが」
「それでもいいのですか」
「ああ、そうならんわ」
ロシティーは解放に懐疑的な兵達に笑って返した。
「この簾中は一戦も交えずに全員寝てもうたやろ」
「はい、そうなりました」
「ロシティー様の音楽を聴いただけで」
「一人残らずそうなりました」
「そうなってしまいました」
「手も足も出んでな、それで全員捕虜にされて」
そうなってというのだ。
「あっさりと解放された、完敗やろ」
「はい、確かに」
「確かにそうなりました」
「これ以上はないまでの完敗です」
「それも軍と戦ったのではなく」
「ロシティー様お一人に」
「そうなった、それでな」
それでというのだ。
「まだ戦うと思うか」
「はい、そうなりますと」
「流石にです」
「もう戦う気も失せます」
「そうなってしまいます」
「ペンは剣よりも強いっていう」
ロシティーは笑ってこうも言った。
「そやけどバイオリンもな」
「剣より強いのですね」
「ロシティー様の神具も」
「そうなのですね」
「神具の剣も強いみたいやがわいのバイオリンもや」
その神具もというのだ。
「強い、そやからな」
「その神具によってですね」
「この簾中の部族は従う」
「そうなりますか」
「そや、ほなファークファークも攻めるで」
この街もと言って実際にだった。
ロシティーは今度はこの街に向かった、すると。
彼はこの街から出て来た軍勢には最初はこれ以上はないまでに暗鬱な気持ちにさせる暗い音楽を聴かせそこからだった。
一気に明るい音楽を聴かせた、すると。
敵兵達は踊り狂いやがて全員踊り疲れて倒れてしまった、ロシティーはその兵達を全員縛らせてだった。
捕虜として街の戦力を丸裸にしそこからだった。
彼は街に降伏勧告を行った、条件は街の者達も兵達も全員これまで通りの暮らしを約束するものであり。
それでだ、街は降りロシティーはファークファークを手中に収めた、そしてここで彼はさらに言った。
「さて、ここからな」
「はい、さらにですね」
「勢力を拡大させていきますね」
「ファークファークを拠点として」
「まずは軍を二つに分けてな」
そうしてというのだ。
「マウケイ山脈から北を掌握してもう一方は北に向かってソロンを目指す」
「そうしてですか」
「まずはマウケイ山脈の北を掌握しますか」
「そうしますか」
「そや、その時にカイマナも手に入れて」
この街もというのだ。
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