八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百十六話 親父との忘年会その十三
「そんなの嫌だろ」
「そうだよね」
「それだと最低でも京大の教授辞めないとな」
「土人のお金で食べずにね」
「自分で稼いでな」
「本とか出して暮らすんだね」
「ああ、けれどな」
親父は冷奴を食べつつ言った。
「本買うのも土人だからな」
「結局土人のお金で食べるんだね」
「ああ、そしてな」
「そして?」
「その金で食うものもな」
これもというのだ。
「土人が作ったものだよ」
「結局そうなるね」
「だからな」
それでというのだ。
「結局そう言う奴はな」
「日本にいられないんだね」
「そこまで嫌いな奴に食わせてもらうのも嫌だろ」
「そう考えるよね」
「普通はな、だから俺は思うんだよ」
「そんなに日本が嫌いならだね」
土人だの言ったり本であれこれと日本の悪口書いたりする人はだ、目に付くのはドラゴンの四兄弟が好き勝手に暴れる小説書いている人か。あの四兄弟は見ていたら特撮のヒーローの方がずっと立派で格好いい。
「日本から出て行ったらいい」
「批判して日本の悪い点を訴えて改善していこうならいいけれどね」
「魯迅みたいにな」
「そうだよね」
「けれどそんな学者さんや作家さんはな」
「ただ罵っているだけで」
「そんなに嫌いならだよ」
梅酒を飲みながら僕に話した。
「日本から出て行ってな」
「そこで暮らすべきだね」
「北朝鮮なんかいいな」
親父は一言で言い切った。
「暮らす国は」
「あの国って」
「あの国ならいいだろ」
口調は素気なかった。
「ああした人達が好きな国だしな」
「それどういう訳かだね」
「地上の楽園って自称してるしな」
「自称だよね」
その実態なんて誰でも知っている、それこそ小学生でもだ。
「それは」
「けれどいいだろ、北朝鮮に行って」
「そこで暮らせばいいんだね」
「よど号ハイジャック犯みたいにな」
「親父そうした人達嫌いなんだね」
「大嫌いだよ」
親父はここで梅酒を飲み干した、そうしてだった。
またお酒を注文した、今度も梅酒だった、僕は今度は親父と同じ梅酒を注文してそうして会話と飲み食いを続けた。
第三百十六話 完
2021・1・15
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