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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百十六話 親父との忘年会その八

「木という木に肉を吊るしてな」
「飲んで食べるんだね」
「ああ、文字通りな」
「元々はそういう意味だしね」
「ああ、お姉ちゃん達と遊ぶんじゃなくてな」 
 史実、史記ではそこで乱痴気騒ぎもしたとある。
「もうな」
「この場合はだね」
「しこたま飲んで食うんだよ」
「それが本当の酒池肉林だね」
「ああ、だから今からな」
「僕と飲んで食べて」
「楽しむぜ、ただ和食だからな」
 親父は笑ってこうも言った、その笑顔は先程までの麻薬について話していた時の暗い顔とは全く違っていた。
「だからな」
「お魚とかお豆腐とか」
「そういうのを主に楽しむからな」
 それでというのだ。
「肉林といってもな」
「お肉は少なめだめ」
「けれど和食はな」
 この料理ならというのだ。
「それも醍醐味だからな」
「いいんだね」
「ああ」
 それはそれでというのだ。
「だからな」
「楽しむんだ」
「絶対にな」
「それじゃあ今から」
「ああ、店に入ろうな」
 親父は僕に笑って言った、そうしてだった。
 その白鯨があるビルに入ってそこからはエレベーターで店に入った、そのうえでレジで予約していた部屋の話をしてお店の人に案内してもらい。
 そのうえで早速注文をした、お魚一匹鯛の生け造りは予約した時に言ったのですぐに出ると言ってもらった。
 他には冷奴に出し巻き玉子、焼き鳥にソーセージそして唐揚げにホッケやししゃもを注文した。そしてお酒は。
 親父は焼酎をロックで頼んだ、僕はビールだったが。
 親父は注文を終えてから僕に言った。お店の人はもう注文を厨房の方に言いに行っていていなかった。
「さて、今から日本の料理にな」
「日本のお酒をだね」
「居酒屋のそれをな」
「楽しむんだね」
「ああ、ししゃも食ってな」
 そしてというのだ。
「それから焼酎とかな」
「梅酒をだね」
「飲むんだよ、日本にいないとな」
 それこそという言葉だった。
「もうこうしたのはな」
「そうそう楽しめないね」
「ああ、何でかイギリス人やたら枝豆好きだけれどな」
「そうなんだ」
「何でかな」
 これがというのだ。
「好きだけれどな」
「それでもなんだね」
「刺身はあってもな、豆腐も少し違うんだよ」
「欧州だとだね」
「水の関係でな」
「ああ、あっちは硬水だったね」
 お水はお水でもだ。
「お水が違うから」
「豆腐ってのはもう大部分水だろ」
「そうなんだよね」
「だからな」
 それでなのだ。
「豆腐も固いんだよ」
「中国の豆腐もそうだね」
「アメリカだとバーべキューにも出来るからな」
 これは日本では想像出来ないことだ。 
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