八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百十六話 親父との忘年会その七
「だからな、そうした話を聞いてるとな」
「怖さを知っていて」
「ついついってこともないからな」
「いいんだね」
「絶対に忘れるな」
それこそという言葉だった。
「麻薬の話はな」
「そうしてだね」
「そうした誘いがあった時はな」
「そうした話を思い出して」
「やらない様にしろ」
「ちょっとでも手を出したらだね」
「お前がその怖い話の主人公になるぞ」
麻薬に手を出したそれにというのだ。
「だからな」
「それでだね」
「絶対に忘れるな」
そうした話をというのだ。
「いいな」
「そうするよ」
僕も確かな声で頷いた。
「怖さを知ることだね」
「麻薬でもな、麻薬に手を出すのが恰好いいとかな」
親父はさらに言った。
「やったらいけないことを敢えてやってな」
「イキリの話だね」
「そんなイキリで勇気があるとかな」
そうしたことはというのだ。
「全く違うんだよ」
「やったら駄目なことを敢えてやってとかは」
「勇気ってのは恐怖を知ることだろ」
「それで自分がどうするかだね」
「だから麻薬の怖さを知ったらな」
その場合はというのだ。
「絶対にだ」
「麻薬をしないことだね」
「そうだよ」
絶対にというのだ。
「何があってもな」
「それがこの場合の勇気だね」
「分別ないって言うんだよ」
この場合はというのだ。
「この場合は大馬鹿だ」
「そこまでの馬鹿だね」
「ああ、麻薬なんてな」
それこそというのだ。
「だからな」
「それでだね」
「ああ、麻薬はするな」
「それが僕の為だね」
「ちょっとだけとかイキリでやるとな」
「そこから破滅するってことだね」
「そうだ、そういうのは恰好良くも何もないんだ」
親父は苦い顔で言い切った。
「だからやるなよ」
「最初からだね」
「それが一番だ、わかってるならいいんだ」
「わかってるつもりだよ、あんな怖いものはないってね」
「その怖さ忘れるなよ」
「何があってもね」
「そうしろ、しかし酒はいいんだ」
これはというのだ。
「だからいいな」
「これからだね」
「潰れるまで飲むぞ」
「そこまで飲むんだ」
「酒は飲むものだ、酒池肉林っていうだろ」
親父はこの言葉も出した。
「酒はそこまで飲んでな」
「お肉つまり食べものもだね」
「食うものだよ」
「そうして楽しむことだね」
「そうだよ、文字通り酒の池を造ってな」
そうしてというのだ。
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