夢幻水滸伝
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第二百話 インドネシア統一の為にその二
「全てはアッラーの思し召しや」
「アッラーは本当に偉大だな」
「こうした音楽まで聴かせてくれるなんて」
「本当にな」
「アッラーに感謝しないとな」
「全くだ」
こう言うのだった、そしてモンスターや海賊が出てもだった。
ロシティーは音楽で敵を惑わし強力な術を放って一撃でまとめて吹き飛ばした、その強さを見てだった。
船長は今度も驚いて彼に言った。
「あんた演奏だけでなくな」
「術も使えるで、それも全部な」
「それもとんでもない威力だな、あんた只者じゃないな」
こう彼に言うのだった。
「一体何者なんだ」
「それ言うのはちょっとな」
まだインドネシアのもう一人の星の者に会っていない、それで素性を明かすつもりはなかった、それでここは誤魔化した。
「内緒ってことで」
「色々あるみたいだな」
「まあ流しの芸術家ってことで」
「今はいいか」
「それで頼むわ」
「わかったぜ、それじゃあな」
「ああ、バリ島まで頼むわ」
船長に笑顔でこう言ってだった、演奏だけでなく戦闘もしつつバリ島に向かっていった。そうしてだった。
バリ島に着くとすぐにそこにいるという星の者を探しにかかった、まずは居酒屋に入ってそこで目立つ者の情報収集を行ったが。
彼は尋常でないオーラを放つ身軽な身なりの蛇人の女をカウンターに見た、それで彼女の隣に来て声をかけた。
「自分只者やないな」
「そう言う貴方も」
女はロシティーに笑って応えた。
「そうですね」
「わかるか」
「わかりますよ、星の人ですね」
こう言うのだった。
「私もですが」
「まさか探そうと思ってすぐに見付かるとはな」
「縁ですね」
女はロシティーに笑って返した。
「これも。ちなみに名前はアユ=ウィルハルジャです」
「アブドゥル=ロシティーや」
ロシティーも名乗った。
「以後宜しくな」
「先輩ですね」
「同じ国でな」
「そう考えるとすぐに馴染めますね」
「そやな、自分の話も聞いてたし」
「私もですよ、ダンス部に所属しておられますね」
「よお知ってるな」
ロシティーは酒を飲みつつ応えた。ウイスキーの水割りである。
「わいのことを」
「あとインドネシア人同士の集まりでも」
「そやそや、何度か会ってるしな」
「それで、です」
「そういうことやな。かく言う自分は工業科で体操部やろ」
「そうです、ご存知ですか」
アユも飲んでいる、彼女はビールだ。
「そのことも」
「知ってるで、軽業師みたいやってな」
「そのせいかこの世界でもシーフで」
「身体軽いか」
「そうなんです、そうしたことは任せて下さい」
「ほな情報収集とか頼むな」
ロシティーは飲みながら話した。
「そっちは」
「そうさせてもらいます」
「わいはバイオリンと仮面でやってくわ」
「芸術の力ですか」
「それでな、ただな」
「ただ?」
「旗揚げしたら政もやってくわ」
この話もした。
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