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覚えていた二匹

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第二章

「このことをどうするか」
「私達も考えていますね」
「そうなんだよね、アメリカだけれど」
 自分達の国はというのだ。
「まずは訓練して」
「アフリカでなく」
「はい、我が国のフロリダの」
「南の方の島にね」
 そこにというのだ。
「送ってね」
「そこで暮らしてもらっていますね」
「だから今回もね」
「引退する子はですね」
「訓練をして」
 そしてというのだ。
「島で暮らしてもらおう」
「それでは」 
 リンダも頷いた、そしてだった。
 彼女はそちらの仕事もした、その中で。
 二匹のチンパンジー、スイングとドールという二匹の訓練もした。そして彼等はその島に入ったのだが。
 送ったリンダは二匹に笑顔、これからは自由に幸せに暮らせるからと敢えてそれを作って彼等にそれを向けて言った。
「これからは幸せにね」
「ウキ」
「ウキィ」
「もう怖いことはないから」
 実験、それはというのだ。
「安心してね」
「達者でな」
 一緒にいるスタッフも彼等に言った。
「それじゃあな」
「ウキィ・・・・・・」
「ウキャア・・・・・・」
 二匹は悲し顔になった、だが。
 その島に入った、これでお別れだった。
 リンダはこの時からもチンパンジーのことを想いそれが昂じてルイジアナ州にチンパンジーの保護区であるチープヘブンを開いた、そうしてスタッフ達に言った。
「いい?これからはね」
「はい、ここでですね」
「実験等に使われたチンパンジーを保護して」
「それで、ですね」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのだ。
「助けていくわよ」
「わかりました」
「そうしていきましょう」
「これからは」
「出来るだけ多くのチンパンジーを助けていきましょう」
「そうしましょう」 
 こう話してだった。
 チンパンジーの保護をはじめた、その中で。
「フロリダの南の島にいるね」
「彼等を保護しますね」
「かつて実験に使われていた」
「彼等を保護しますね」
「そうするわ、若しかしたら」
 ここでだ、リンダは。
 かつて別れたスイングとドールを思い出した、そうして。 
 若しかしてと思ってだ、そのうえで。
 その島に入った、すると。
「ウキッ!」
「ウキィッ!」
 森の方からだった、二匹のチンパンジー達が来た。その彼等は。
「スイング、ドールなの!?」
「ウキィッ!」
「ウキッ」
 その通りだという様に頷いてきた、リンダはここでわかった。 
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