夢幻水滸伝
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第百九十六話 まずは農業その十五
「そうするわ、そしてな」
「そのうえで、ですか」
「同盟を結びますか」
「そうしますか」
「そうしてもらうわ、ほな後は会談の場所の設定やな」
このことも話してだった。
ブッパースウォングとチュットは使者を介してやり取りをして会談の場所を両国の国境に設定してだった。
そこで会った、そして食事をしつつ話をしたが。
ブッパースウォングはチュットに食べてすぐにこう切り出した。
「同盟結ばへんか」
「ええね」
これがチュットの返答だった。
「ほなね」
「早速やな」
「いや、カンボジアも小国やから」
チュットは即座に返した、食べているのは両国のそれぞれの料理である。
「正直言ってな」
「一国だけやとやな」
「どうにも出来んから」
だからだというのだ。
「私としてもどうしようかって思ってたんや」
「そこにわしが言ってきた」
「渡りに舟やったわ」
「そやったか」
「カンボジアは確かに農業が豊かで」
チュットはこのことも話した。
「そこから発展しやすいけど」
「それでもやな」
「ここから私が言いたいことわかるやろ」
「小国やな」
「そや、我が国は小国や」
ブッパースウォングに眉を曇らせて話した。
「そやからな」
「それでやな」
「タイとかベトナムに対抗するどころか」
「飲み込まれることがやな」
「いつも心配やさかい」
それ故にというのだ。
「どないしよかと思ってて」
「同盟もやな」
「考えてたどころやったんだ」
「そこでわしが使者を送ってきた」
「ほんま渡りに舟やった」
ブッパースウォングに食べながら話した、ブッパースウォングも食べていて二人共食事も楽しんでいる。
「よかったわ」
「よかったか」
「ここにもう答え出てると思うけどな」
「確かにな」
ブッパースウォングは笑って応えた。
「わしの望む返事や」
「そやねんね」
「同盟やな」
「それか国家連合か」
「どっちかやな」
「ラオスも同じ事情や」
カンボジア、チュットの国とというのだ。
「ほんまにな」
「しんどいところやな」
「小国やからな」
「どうしてもやね」
「タイやベトナムがちょっと気が向いたらな」
「大軍が来てやね」
「飲み込まれるわ」
「そんな状況やね」
「こっちの世界も世知辛いわ」
自分達が起きた世界と同じくとだ、ブッパースウォングはシニカルに笑ってそのうえでチュットに述べた。
「何かとな」
「小国は大変やわ」
「生き残る為にな」
「同じ東南アジアでもな」
「タイとかベトナムをいつも気にして」
「ほんま大変や」
「どっちも海千山千の国やからな」
一筋縄ではいかないというのだ。
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