夢幻水滸伝
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第百九十六話 まずは農業その十
「ええな」
「では」
市長も約束した、そうしてだった。
ブッパースウォングは宗教に対する政策にも重点を置きつつ政を行った、そして。
まずは周りの小さな村から使者を送り自分の勢力圏に収めていきそこから大きな村それから街としていき。
徐々にであるが勢力を拡大させていった、そのうえで自分の家で言った。
「わしはゾンビやが」
「はい、種族はそうですね」
「左様ですね」
「ですがそれがどうしましたか」
「一体」
「いや、ゾンビやから身体は死んでるが」
周り、役人達にお茶を飲みながら話した。
「こうしてお茶を飲めてものも食べられる」
「それが何か」
「至って普通では」
「そうしたことは」
「いや、わしが起きた世界では死んでるからな」
その為にというのだ。
「生身の人と違って飲み食いは出来んかったりする場合があるんや」
「そうなのですか」
「ゾンビはただ身体が死んでいるだけですが」
「とはいっても心臓は微かでも動いていて」
「身体が冷たい位ですが」
「そやな、言うなら新陳代謝が他の種族より低い位や」
それがこの世界のゾンビだというのだ。
「これはマミーもやな」
「ええ、そうですね」
「そうした種族もいるということで」
「基本人は同じです」
「普通に暮らしを楽しめます」
「そやな、そこはちゃうな」
こう言うのだった、今度は菓子を食べて言った。実は甘党なのだ。
「わしが知ってたゾンビやマミーと。あどゴーストもな」
「その種族もですか」
「そちらもですか」
「今ここにはマミーもゴーストもいませんが」
「この世界には普通に種族としています」
「そして普通に街や村におるが」
しかしというのだ。
「ゴーストでも飲み食いも入浴も出来るな」
「実体はないですが」
「それは可能ですね」
「精神体として出来ますので」
「あと壁を抜けるにも術が必要です」
「実体がなくてもな、わしの世界やと幽霊は壁なんか問題やないが」
幽霊即ちゴーストはというのだ。
「そこもちゃうな」
「どうもブッパースウォング様が起きられた世界と我々の世界は全く違う部分も多いですね」
「その様ですね」
「術がないことといい」
「人間しか人の種族が存在しないことといい」
「そやな、何かとな」
周りの言葉に頷いて述べた。
「違う部分が多いな」
「左様ですね」
「それぞれの種族についてもですね」
「世界が違うと本当に違いますね」
「そのことを実感します」
「わしもや、それで今のわしはゾンビでな」
あらためて自分のこの世界の種族の話をした。
「基本首を刎ねられても多少は生きていられるな」
「はい、それが出来ます」
「多少ではありますが」
「すぐに回復させる必要があります」
「大抵の種族は首を刎ねられたら終わりやが」
それでもというのだ。
「ゾンビはちゃうな」
「はい、マミーもです」
「こうした種族は多少は生きられます」
「少なくとも即死はしません」
「そやな、首を刎ねられたら大抵は終わりや」
即死するというのだ、ただ首だけになっても僅かの間でもまだ反応があるという説も出てはいる。ギロチンで処刑された者の目は口は少しの間動いたらしい。
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