八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百十三話 休める時はその四
「実際に。そう考えると僕は」
「よく寝られますね」
「その様にします」
「それがいいかと」
「そうですね、さもないと」
本当にだ。
「風邪をひいて」
「そしてそこからです」
「肺炎にもなるので」
「よくないです」
「そうですね、しかし親父もあんな破天荒な生活だと」
本当にだ。
「何時か身体を壊しますか」
「そうなるかも知れないです」
「風邪で済めばいいですね」
不思議と風邪をひかない、というか自分で言うには俺は馬鹿だから風邪をひかないという。人間として大馬鹿野郎だからだ。
「何かいつも栄養をしっかり摂って寝てる時に寝て」
「身体も温められてですね」
「あれで健康管理には気を配ってるからですかね」
「そうかと。しかし」
「それでもですね」
「止様のそのことはです」
あまり寝ていないことはというのだ。
「心配になります」
「畑中さんとしては」
「太く短くとのことですが」
「それも親父の口癖ですね」
そうして生きたいというのだ。
「花火みたいにとも言っています」
「派手に生きられてですね」
「すぐに死ぬって」
「そう言われること自体はいいですが」
「それでもですか」
「あの方は素晴らしい方で」
少なくとも悪人じゃない、遊び人であっても。そしていいところも多い。
「早世されるにはです」
「惜しいですか」
「そうした方です」
息子の僕にこう話してくれた。
「ですから」
「親父には長生きして欲しいからですか」
「寝られることもです」
「しっかりとですね」
「して欲しいです」
「そうですか」
「特に年末年始は」
今のこの何かとある時はというのだ。
「そうされて欲しいです」
「そうなんですね」
「そのうえで頑張られると」
「いいですか」
「私はそう思います」
「そうですか、ですが親父はああした人ですからね」
もう傾いてそれで生きている人間だ。
「我が道を行くですから」
「そこがまた魅力ですね」
「ええ、しかも人の道は外さないですから」
義侠心があって家庭のこともないがしろにしない。
「僕もいい親父だと思います」
「左様ですね」
「嫌いでも軽蔑もしていないです」
「尊敬されていますね」
「どっちかっていうと、ただ」
父親として親父はいい親父でその義侠心や器の大きなところは尊敬していてもだ。他ならぬ息子として。
「親父は自分を尊敬するなって言います」
「そうした方ですね」
「何でもそんな人間じゃないって」
尊敬される様なだ。
「言ってまして」
「むしろ自分を尊敬しろなぞと言う人は」
「尊敬されないですね」
「軽蔑されます」
「そうですよね」
「そんな恥知らずなことを言っては」
他の人に自分を尊敬しろなぞと言う人はだ。
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