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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百十一話 クリスマスだからこそその五

「私はです」
「体格の分ですか」
「楽かと」
「というかそんな体格で」
 当時の男の人でも小柄だったらしい。
「よくですね」
「あの木刀を使えましたね」
「はい」
 心から思う。
「女の子でも小柄なのに」
「今では」
「そんな体格で」
 男だと中学生位か、そんな体格で十一キロの木刀を毎日千回二千回も振るとかもう想像も出来ないことだ。
「出来ないです」
「今で考えるとそうですね」
「はい、しかしですね」
「当時はです」
「勝海舟も小柄程度ですね」
「徳川慶喜公はさらに小さかったですか」
 最後の将軍だったこの人はだ。
「ですから」
「小柄程度ですか」
「当時は大人の男の人で平均身長は一五五程でした」
「今だと女の人の小柄かどうかのラインですね」 
 女性声優さんを見るとそう思う、そこから高いか低いかで小柄かどうかになると思う。
「それ位ですね」
「そうですね、それでなのでした」
「勝海舟さんもですね」
「小柄という位で。戦前でも海軍にもです」
「入隊出来る位でしたか」
「一四八からでしたので」
「つまり一四八まで充分な体格と思われたんですね」
 陸軍も海軍も入隊検査は厳しかった、体格が悪いとそれだけで駄目だったし体格が良くても素行が悪いと駄目だった。だから徴兵検査に合格すること自体がかなり少ないことであった。当時の作家さん達を見ても徴兵で兵隊さんになれたのは志賀直哉位だった。
「当時は」
「そうした状況だったので」
「勝海舟さんも小柄という程度で」
「普通とみなされました」
 その体格はだ。
「流石に坂本龍馬さんと並ぶと目立ったそうですが」
「龍馬さんは大きかったんですよね」
「一八〇あったという説があります」
「大きいですね」
 今の日本人から見てもだ。
「それはまた」
「そこは諸説ありますが」
「その一八〇説を信じますと」
「勝海舟さんとは三十センチは違うので」
 それでというのだ。
「目立ったかと」
「そうなりますね」
「それで剣の腕はです」
「勝海舟さんは龍馬さんに負けていないか」
 坂本龍馬も剣術は凄かった、短筒で有名だけれど北辰一刀流免許皆伝だったのだ。江戸に留学して修行していた。
「それ以上だったんですね」
「そこまで強かった様です」
「直新陰流免許皆伝で」
「そして身体の力もです」
 握力だけでなく腕力に肩、足腰、そして背筋に腹筋とだ。
「非常にです」
「強かったんですか」
「伊達に十一キロの木刀を毎日ではないので」
「千回二千回も振っていて」
「恐ろしい強さでした」
「そうでしたか」
「それが凄いとです」
 その様にというのだ。 
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