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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百十一話 クリスマスだからこそその四

「間違ってもです」
「寝る時はですね」
「しっかりと寝ないとです」
「長い間描けないですね」
「漫画も、そして」
「長生きもですよね」
「トキワ荘の人達の多くが何故若くして世を去られたか」
「手塚治虫先生もでしたね」
 六十歳になってすぐだった、人間五十年と言われた頃ならともかく今は若くしてと言っていいだろう。
「あの人も」
「あの人は平均して四時間しかと聞いています」
「寝ていませんでしたか」
「徹夜も多く」
「ずっと描いていたんですよね」
「石ノ森章太郎先生は若い頃三日徹夜しても平気だったと言われていましたが」
「後で、ですね」
 その時はよくてもだ。
「きてですね」
「私はそう思います」
「絶対にそうですよね」
「あの人も若くしてでした」
 還暦になってすぐだった。
「そう思いますと」
「寝ないとですね」
「本当に駄目で身体のことは」
「大事ですね」
「はい、それが出来ないと」
「鍛錬もですね」
「出来ないです」
 そうだというのだ。
「長い間は」
「だからお風呂もですね」
「大事です、ですから」
 それでというのだ。
「今もこうして入り身体を清め」
「癒すこともですね」
「しています」
「そして一日のお仕事をされて」
「また明日です」
「鍛錬からはじめられますか」
「そうしています」
 こう僕に話してくれた。
「木刀も振ります」
「あの木刀よく今も振れると思っていますが」 
 十一キロの直新陰流のそれをだ。
「やっぱりそれもですね」
「日々身体を大事にしているからです」
「出来るんですね」
「若しそれを怠ると」
「出来なくなりますね」
「膝や腰、それに肩に背筋をです」
 身体の結構な部分をだ。
「痛めてしまいます」
「やっぱりそうなりますね」
「そうです、ただ驚くべきことは」
 ここで僕にこう言ってきた。
「勝海舟さんも私と同じ直新陰流でした」
「免許皆伝でしたね」
「お父上と同じく」
 勝小吉といってとんでもない暴れ者だったという。
「そうでしたがこの人は小柄でした」
「そうらしいですね」
「一四九程で」
「相当小さいですね」
 今から見るとだ。
「それはまた」
「今ですと女性でもですね」
「はい、一五〇ないとなると」
 もうそれこそだ。
「相当ですね」
「それだけ小さくてもです」
「あんな木刀を毎日振り回していたんですね」
「千回も二千回も」
「凄いですね」
「そのことを思いますと」 
 畑中さんは一七〇を超えている、体格は痩せているけれど毎日の鍛錬のお陰で九十過ぎでも五十近くに見える位だ。 
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